Web分析の始め方:初心者が押さえるべき基礎知識と実践ポイント

基本

Web分析を始めようとすると、多くの方が「どこから手をつければいいのだろう」という疑問を抱えます。

重要なのは、すぐに改善作業に取り掛かることではありません。Web分析において成果を出すためには、まず全体像を理解することが不可欠です。

本記事では、初めてWeb分析に取り組む方や改善をしているがなかなかうまく改善しないか方向けに、体系的な項目をご説明します。分析の目的設定から評価指標の選び方まで、しなければいけない対応方法を解説していきます。


「全体像を理解する」と一言で言っても、具体的に何を押さえればよいのでしょうか。

まず押さえるべきポイントは以下の3つです。
・ウェブサイトの目的を明確にすること
・適切な指標を選定すること
・データの基本的な見方を理解すること

これらの要素は、一見複雑に思えるかもしれません。しかし、一つひとつ丁寧に理解していけば、決して難しいものではありません。

Web分析の基礎を固めることで、その後の改善活動がスムーズに進むようになっていきます。

最後まで読み進めていただければ、Web分析の取り組み方が明確になっているはずです。

第1章:Web分析の基本を理解しよう

1-1. なぜWeb分析が必要なのか?

「感覚」と「経験」。

これらはビジネスの重要な要素です。しかし、今のデジタル全盛期の時代では、それだけに頼っているとちょっと心もとないです。

特にWebの世界では、データの持つ力は計り知れません。なぜなら、お客様の行動が全て数字として見えるからです。

例えば、ECサイトを運営していると、こんな疑問が浮かびませんか? 「この商品、意外と人気あるみたい」 「夜中の購入が多いのはなぜ?」 「あれ、みんなこのルートで買ってるの?」

こういった気づきは、在庫の管理や販売戦略を考える上で、とても貴重なヒントになります。

企業サイトでも同じこと。どのページがよく見られているのか、お問い合わせフォームまでの道 のりで躓いている人はいないか、求人情報への関心度は?こうした情報が、サイトの改善に役立ちます。

データ収集の基本的な考え方

まずは、アクセス解析ツールの導入から始めましょう。ページの閲覧数や滞在時間といった基本的な情報から、売上に直結する指標まで、幅広いデータが取れるようになります。

一つ注意しないといけことがあります。

それは、
「とにかくデータを集めればいい」というわけではありません。自社のゴールに合わせて、本当に必要な指標を見極めることが大切です。

そうすれば、ただの数字の羅列ではなく、ビジネスの成長を支える「生きたデータ」として活用できるようになるはずです。

ユーザーの行動を可視化する

データ収集の次は、実際のユーザー行動を理解することです。ここでは、ヒートマップという便利なツールが活躍します。

ユーザーの関心が集まる場所が一目で分かるようになります。クリックした場所、スクロールの深さ、視線の動きまで。

さらに、ユーザーの「回遊経路」を追跡することも重要です。どんな順序でページを見ているのか、どこで離脱してしまうのか。こういった情報から、改善のヒントが見えてきます。

例えば、商品ページから購入ページへの移行率が低ければ、そこに何か障壁があるのかもしれません。

最近では、個々のユーザーの行動を動画のように再生できる「セッション録画」という技術も。マウスの動きや入力時の迷い、エラーへの反応など、生の行動が手に取るように分かります。

こうして集めたデータを活用すれば、サイトの使いやすさを向上させたり、コンバージョン率を改善したりすることができます。ただし、プライバシーへの配慮は忘れずに。個人情報の取り扱いには、細心の注意を払いましょう。

施策の効果はきちんと測る

マーケティング施策を打ったら、その効果をしっかり測定することが大切です。これが次の一手を考える上での重要な判断材料になります。

まずは、何を測るのかを決めましょう。広告なら、クリック率やコンバージョン率、費用対効果といった指標が代表的です。

ただ数字を追うだけじゃダメです。施策を始める前の基準値をしっかり押さえておくことが重要です。そうすれば、「どれくらい改善したのか」が明確に分かります。

可能なら、ABテストもおすすめです。これなら「どっちが効果的か」を科学的に判断できます。

測定期間の設定も要注意。短すぎると一時的な変動に惑わされ、長すぎると他の要因が絡んできて判断が難しくなります。

直接的な効果だけでなく、波及効果にも目を向けましょう。例えば、広告で認知度が上がれば、検索からの流入も増えるかもしれません。

投資効果を数字で把握する

最後に重要なのが、ROI(投資対効果)の把握です。限られた予算を効果的に使うために、欠かせない視点です。

ROIは簡単に言えば、「投資した分がどれだけ返ってきたか」を示す指標。例えば、10万円の広告費で30万円の売上が出れば、ROIは200%というわけです。
→10万円 ÷(30万円-10万円)=0.2=200%

ただし、コストの把握は慎重に。広告費だけでなく、サイトの制作費や運用費、人件費まで含めて考える必要があります。特に社内の人件費は見落としがち。これもしっかり計上しましょう。

収益面では、直接の売上だけでなく、将来につながる指標も大切です。問い合わせ数の増加なども、きちんと評価に入れましょう。

短期的な数字だけでなく、長い目で見た効果も考慮に入れること。ブランド認知度の向上やリピート率の上昇など、じわじわと効いてくる要素も見逃せません。

このように、ROIをしっかり把握し、継続的に監視することで、より賢い投資判断ができるようになります。ただし、数字に振り回されすぎないよう、市場環境なども含めた総合的な判断を心がけましょう。

1-2. Web分析で見えてくるもの

訪問者の特徴を知る

サイトを訪れる人って、どんな人たちなんでしょうか。実は、これを知ることがサイト改善の第一歩なんです。

Google Analyticsを使えば、意外と詳しいことがわかります。年齢や性別はもちろん、どんな端末を使っているのか、どんなことに興味があるのかまで。

面白いのは、想定外の発見があることです。例えば、若者向けのサイトのつもりが、実は40代に人気だったり。そんなときは、内容を見直すチャンスかもしれません。

地域性も見逃せないポイント。東京からのアクセスが多いのか、それとも地方からなのか。この情報を活かせば、その地域に合わせた展開も考えられます。

スマホ対応も重要です。最近はスマホからの閲覧が主流。使いやすさを重視したデザインが必要になってきています。

ただし、個人情報の取り扱いには要注意。法律をしっかり守って、ユーザーの同意を得ることを忘れずに。

アクセスルートを把握する

サイトへの入口は実にさまざま。検索エンジンやSNS、広告など、人々は色々な経路でやってきます

特に注目したいのが検索からの流入です。自然検索が多いサイトは、SEO対策がうまくいっている証拠。でも、どんな言葉で検索されているかもチェックが必要です。

SNSも大切な入口。InstagramとX(旧Twitter)では、求められる内容が違います。写真映えするコンテンツなら、Instagramからの集客に力を入れるのも手です。

広告効果の測定も欠かせません。費用対効果を見極めて、効率の良い広告にお金を使いたいものです。

URLを直接入力してくる人が多いのも、うれしい傾向。そのサイトのファンが着実についている証かもしれません。

サイト内での動きを追う

訪問者は、サイトの中でどんな行動を取っているのでしょうか。これを知ることで、改善のヒントが見えてきます。

ページの移動を追跡してみると、面白い発見があります。商品ページから購入までスムーズに進めているか、どこかで躓いていないか。

各ページでの滞在時間も気になるところ。長く見られているページは、魅力的なコンテンツがあるのかもしれません。

すぐに離れてしまうページがあれば要注意。情報が見つけにくいとか、次の行動が分かりにくい可能性があります。

成果につながる道筋を探る

最終的な目標(商品購入や資料請求など)までの道のりを理解することは、とても大切です。

理想的な流れがあっても、実際の行動は違うもの。どこで躓いているのか、どこでページを離れてしまうのか。そこを見極めることで、改善点が見えてきます。

カートに入れたのに購入しない人が多いとしたら、決済の手順が複雑すぎるのかも。配送料の表示タイミングを工夫するだけでも、変わってくるかもしれません。

成功例から学ぶのも効果的です。実際に購入した人は、どんな道筋でたどり着いたのか。その経路を分析して、より多くの人を同じように導けないか考えてみましょう。

1-3. 分析前に決めておきたい3つのポイント

目的をはっきりさせよう

Web分析で一番大切なのは、目的をしっかり決めること。

ただなんとなく「売上を上げたい」じゃダメなんです。「3ヶ月で商品購入率を20%アップ」といった具体的な目標にしましょう。そうすれば、何を見ればいいのかがハッキリします。

短期と長期、両方の視点も大切です。すぐに結果が欲しい気持ちはわかりますが、ブランドの認知度を上げるなど、じっくり取り組むべき課題もあるはずです。

目標は必ずチームで共有。特に上司の理解を得ておくと、後々スムーズに進みやすいものです。

そして、柔軟な姿勢を忘れずに。市場は日々変化しているので、目的も時には見直す必要があります。

何を測るか、しっかり選ぼう

指標選びは、実は大変難しいです。あれもこれもと欲張りすぎると、かえって焦点がボケてしまいます。

まずは「何を改善したいか」を考えてください。

例えば、
売上アップが目標なら、購入率や平均購入額がカギになります。
認知度を上げたいなら、
訪問者数やSNSでの反応を見ていきましょう。

選んだ指標は「SMART」の物差しで確認します。具体的で、測れて、達成可能で、目的に合っていて、期限がある。この5つをクリアできていますか?

指標同士の関係も見逃せません。例えば、ページビュー数が多くても、すぐに離脱されては意味がありません。複数の指標を組み合わせて見ることで、より深い理解が得られます。

データ収集の期間を考えよう

適切な期間設定は、分析の成否を分ける重要なポイント。短すぎても長すぎても、かえって見えにくくなってしまいます。

ECサイトなら、最低でも1ヶ月は必要でしょう。平日と週末で購買行動が違うし、月初と月末でも変わってきます。季節商品を扱うなら、もっと長い目で見る必要があります。

キャンペーンの効果を測るなら、前後の比較が大切。実施期間の前後1〜2週間くらいのデータがあると、より正確に効果が分かります。

新しいサイトや新規ページの場合は要注意です。立ち上げ直後は数字が不安定なので、落ち着くまでしばらく様子を見ましょう。だいたい3〜6ヶ月くらいデータを集めると、より確かな判断ができます。

ただし、これも固定的に考えすぎないことです。大きな変更があったときは、期間設定も柔軟に見直していきましょう。

期間とともにセッション数も合わせて確認するとよいでしょう。一般的にはABテストを行う場合は2000セッションを超えるところで判断することが多いです。

第2章:成功する分析のための準備と心構え

2-1. ビジネスゴールを明確にする

短期・中期・長期目標の設定

効果的なWeb分析には、明確な目標設定が欠かせません。時間軸に沿った目標があってこそ、着実な成長が見えてくるものです。

まずは短期目標から考えましょう。「3ヶ月以内」で達成できる具体的な数値がポイントです。直帰率を10%下げるとか、カートへの遷移率を伸ばすとか。すぐに効果が分かる目標なら、チームの士気も上がりやすいです。

中期的には、もう少し腰を据えた取り組みが必要になってきます。「半年から1年」くらいの期間で、新規顧客の獲得コストを見直したり、サイトの滞在時間を延ばしたり。地道な努力の積み重ねが実を結ぶ時期です。

長期目標は、ビジネスの根幹に関わる大きな夢を描きます。マーケットシェアの拡大や顧客生涯価値の向上など、「1年以上」かけて取り組む課題です。この目標が、短期・中期の取り組みの方向性を示す道標となるわけです。

大切なのは、これらの目標が互いに支え合う関係にあること。小さな成功を積み重ねて、大きな目標へとつなげていく。そんな階層的な構造を意識しながら、途中での一部軌道修正も必要かもしれません。

具体的な数値目標の設定

数値目標は、具体的に設定するのが難しいものです。しかし、これがないと改善活動の成果が見えにくくなってしまいます。

まずは現状をしっかり把握することから。「コンバージョン率を上げる」なんて漠然とした目標ではなく、「今の3%を半年で5%に」のように、具体的な数字を設定しましょう。

ただし、あまり背伸びしすぎるのは禁物です。業界の平均的な水準や、自社の過去の実績なんかも参考にしながら、現実的な目標を立てていくといいでしょう。

大きな目標の下には、それを支える小さな指標も必要です。例えば商品ページでの滞在時間とか、カートに入れる確率とか。細かい数字を追いかけることで、改善のヒントが見えてきます。
KPIツリーやOKR指標などを使用して客観的に全体を把握しつつ進めるとよいでしょう。

環境は常に変化しています。だからこそ、3ヶ月に1回くらいは目標を見直してみる。そうすることで、より効果的な改善が可能になるはずです。

ステークホルダーとの合意形成

Web分析を成功させるには、関係者との丁寧な合意形成が欠かせません。組織全体で目標を共有できれば、改善活動もぐっと進めやすくなります。

最初に確認したいのは、誰が重要な関係者なのか、ということ。経営層はもちろん、マーケティング、開発、営業など、様々な部門の期待に応える必要があります。

専門用語は極力避けて、分かりやすい言葉で説明するのがコツです。数字(KGIやKPIなど)を交えながら、具体的なメリットを示していけば、自然と協力が得られやすくなります。

定期的な報告も大切です。分析結果や改善の効果を共有する場を設けることで、継続的な支援を得られる関係が築けるはずです。

最後に忘れてはいけないのが、フィードバックの重要性。関係者の声に耳を傾け、柔軟に方針を調整していく。そんな双方向のコミュニケーションが、成功への近道となるでしょう。

2-2. KPIの設定方法をマスターしよう

目標設定の王道、SMARTの法則

Web分析で成果を出すには、まずKPI(重要業績評価指標)をしっかり決めることが大切です。

そこで役立つのが「SMART」という考え方。覚えやすい5つの基準で、効果的な目標設定ができます。

まずは「S」。これは「Specific(具体的)」の頭文字です。「なんとなくサイトを良くしたい」なんて曖昧な目標じゃダメ。「商品ページのコンバージョン率を上げる」というように、はっきりさせましょう。

次の「M」は「Measurable(測定可能)」。「コンバージョン率を2%から4%に上げる」といった具合に、数字で表せる目標にします。これなら達成度が一目瞭然ですね。

「A」は「Achievable(達成可能)」。やる気は大事ですが、現実的な目標を。業界の相場も見ながら、無理のない数字を設定しましょう。

「R」は「Relevant(関連性)」。会社全体の目標とズレていないか確認です。部分的な成功に目を奪われすぎると、全体が見えなくなることも。

最後の「T」は「Time-bound(期限付き)」。「いつまでに」という期限をハッキリさせることで、チーム全体の意識も高まります。

主要KPIと補助指標の使い分け

KPIには主役と脇役がいます。うまく組み合わせることで、より深い分析ができるんです。

主要KPIは、ビジネスの成果に直結する指標。ECサイトなら売上高、メディアならPV数といった具合です。経営陣への報告にも使える重要な数字です。

一方、補助指標は主要KPIを支える存在。例えば、コンバージョン率を上げたいなら、商品ページでの滞在時間やカートイン率なども見ていきます。

両者の関係は親子のようなもの。コンバージョン率が下がったら、まず補助指標を確認。どの段階でつまずいているのか、原因を特定できます。

業界ごとの特徴を押さえよう

業界によって、重視すべきKPIは全然違います。

ECサイトなら売上高やリピート率がカギ。特に高額商品を扱う場合は、じっくり検討する人が多いので、滞在時間や再訪問率も要チェック。

メディアサイトではPV数や滞在時間が主役。広告収入が主なら、広告の表示回数やクリック率も大事な指標になります。

BtoBサイトでは資料請求数や問い合わせ数を重視。商談に時間がかかるので、資料ダウンロード完了率など、リードの質を測る指標も併せて見ていきましょう。

サービス業なら予約数や予約完了率がポイント。季節や時間帯で大きく変わることも多いので、その点も考慮が必要です。

でも、業界の常識に縛られすぎないことも大切。自社の戦略に合わせて、柔軟に指標を選んでいきましょう。

2-3. データ収集の基礎知識

タグってなに?どう使うの?

Web分析の第一歩は、タグの設置から始まります。タグって聞くと難しそうですが、実はWebサイトに仕掛ける小さな装置のようなものです。

設置方法は大きく2つ。シンプルにHTMLに直接書き込む方法と、便利なツールを使う方法があります。

昔ながらの直接書き込み方式は、確実ですが手間がかかりますね。特に大きなサイトだと大変です。

そこで最近人気なのが、Googleタグマネージャーのような管理ツール。エンジニアさんに頼まなくても、マーケターが自分で追加や変更ができちゃいます。

でも、気をつけたいポイントがいくつかあります。まず、タグは決まった場所に置かないと効果がありません。それから、同じタグを2回付けちゃったり、付け忘れがないかも要チェック。

実は、タグの数が増えすぎると、サイトの表示が遅くなることも。必要なものだけを残して、いらないものは思い切って削除するのがコツです。

プライバシーへの配慮を忘れずに

最近は個人情報の扱いがとても重要です。タグを使ってデータを集める時も、ユーザーの同意を得ることを忘れずに。

具体的には、プライバシーポリシーの整備が必要になります。どんな情報を集めて、何に使うのか。ユーザーにわかりやすく説明しましょう。

アクセスログやCookie情報、どんなデバイスを使っているかなど、集める情報は意外と多いもの。これらをサイトの改善にどう活かすのか、きちんと説明する必要があります。

特に気をつけたいのが外部ツールの利用について。Google Analyticsなどを使っている場合は、そのツールがどんなデータを集めているのか、しっかり説明しましょう。

正確なデータを集めるコツ

せっかく集めるデータ、正確でないと意味がありません。まずは分析ツールのコードを正しく設置することから始めましょう。

毎日のチェックも大切です。アクセス数が急に増えたり減ったりしたら要注意。何か問題が起きているかもしれません。

社内からのアクセスは除外するのがポイント。テスト用のアクセスが混ざると、正確な分析ができなくなってしまいます。

複数のツールを使っている場合は、データの違いもチェック。ツールによって大きな差が出るようなら、どこかに問題があるかもしれません。

第3章:押さえておきたい重要指標

3-1. アクセス解析の基本指標を理解しよう

ページビュー(PV)

サイトの基本的な健康診断、それがページビュー(PV)です。簡単に言えば、サイトの各ページが何回見られたかを数える物差しです。

具体的な例を見てみましょう。あるユーザーさんがトップページを見て、気になる商品を3つチェックして、最後にお問い合わせページをのぞいたとします。この場合のPVは5回。同じページを何度見ても、その分カウントは増えていきます。

でも、PVの数字だけを見ていると、ちょっと危険かも。たくさんの人が見てくれているように見えても、実は効果的な行動には繋がっていないことだってあるんです。

だから、他の指標と組み合わせて見るのがコツ。例えば、ユニークユーザー数と比べれば、一人当たり何ページ見てくれているのかが分かります。滞在時間や直帰率と一緒に見れば、コンテンツの魅力度もチェックできますよ。

ユニークユーザー数

サイトに来てくれた「実際の人数」、それがユニークユーザー数です。同じ人が何度来ても1人とカウント。純粋な訪問者数が分かる便利な指標なんです。

ただし、完璧な数字ではありません。同じ人でも、スマホとパソコンで見ると別人扱い。Cookieを消したり、シークレットモードで見たりすると、これも新しい人として数えられちゃいます。

特に注目したいのが月間ユニークユーザー数(MAU)。サイトの規模を測る定番の指標として、よく使われています。新規さんとリピーターさんの割合を見れば、コンテンツの魅力度も見えてきます。

直帰率と離脱率の違い

この2つの指標、似ているようで実は違います。直帰率は「サイトに来て、最初のページだけ見て帰っちゃう人の割合」。一方、離脱率は「どのページからサイトを去ったか」を示す指標です。

高い直帰率は要注意。コンテンツが期待はずれだったか、サイトの導線に問題があるかもしれません。

でも、全てのページで低い数字を目指す必要はないんです。お問い合わせページや会員登録完了ページなら、そこで目的は達成。むしろ高い離脱率の方が自然かもしれません。

滞在時間

ユーザーさんがどれだけじっくり見てくれているか、それを教えてくれるのが滞在時間です。例えば、5分もしっかり読んでもらえているなら、そのページはきっと魅力的なコンテンツなんでしょう。

でも、ページの性質によって、適切な滞在時間は変わってきます。シンプルな情報ページなら短くても問題なし。でも、詳しい解説記事なら、じっくり読んでもらいたいですよね。

改善のコツは、まずコンテンツの質を上げること。読みやすい文章、適切な見出し、関連記事への誘導。それに加えて、表示速度を速くしたり、スマホ対応をしっかりしたり。ユーザーさんが快適に読める環境を整えることが大切です。

3-2. コンバージョンに関する指標

コンバージョン率(CVR)

Webサイトの成果を測る物差しとして、コンバージョン率(CVR)は外せない指標です。簡単に言えば、「訪れた人のうち、実際に行動を起こした人の割合」のこと。

例えば、1000人が訪れて30人が商品を買ってくれたら、コンバージョン率は3%。この数字が高いほど、サイトがしっかり役割を果たしていると言えます。

では、どうすれば上がるのでしょうか。まずは目的をハッキリさせること。ECサイトなら商品購入、メディアなら会員登録など、業態によって大切にすべき行動は違ってきます。

ユーザーの行動を細かく分析して、購入までの道筋を整えるのも効果的。商品ページを見やすくしたり、申し込みの手順を簡単にしたり。信頼できる会社だと分かってもらえるよう、実績をしっかり見せるのも大切です。

ただし、「良い数字」は業界によってバラバラ。大切なのは、自社に合った現実的な目標を立てて、地道に改善を重ねること。定期的にデータをチェックしながら、効果的な方法を見つけていきましょう。

目標到達率

サイトの目標がどれだけ達成できているか、それを示すのが目標到達率です。Google Analyticsを使えば、設定した目標にどのくらいの人が到達したのか、簡単に測れます。

目標は色々設定できます。商品の購入完了はもちろん、資料請求フォームの送信、お問い合わせページへの到達、動画視聴の完了など。サイトの目的に合わせて選びましょう。

ただし、漠然とした目標では意味がありません。「具体的に測れる目標」を設定することで、より正確な分析が可能に。複数の目標を段階的に設定すれば、ユーザーの行動パターンもより詳しく分かってきます。

流入元や利用者の特徴ごとの違いにも注目。どんな人が目標を達成しやすいのか、逆に達成しにくいのか。この情報は改善のヒントになります。

顧客単価(LTV)で見る長期的な価値

顧客単価(LTV)は、一人のお客様が長期的にもたらしてくれる価値を示す指標です。新規獲得にどれだけ投資できるか、既存客の維持にどれだけ力を入れるべきか、その判断材料になります。

計算方法は意外と簡単。「平均購入単価」×「購入頻度」×「継続期間」です。例えば月3,000円のサービスを2年間使ってくれる方なら、72,000円が顧客単価になります。

特にサブスクリプション型のビジネスでは、このLTVが重要。新規のお客様を増やすだけでなく、既存のお客様に長く使っていただくことも大切です。

お客様のタイプ別に分析するのもおすすめ。どんな方々が長く使ってくれているのか、どういう特徴を持つ人が高い価値を生み出しているのか。そんな発見が、より効果的なマーケティング施策につながります。

3-3. ユーザー行動に関する指標

クリック率(CTR)

Webマーケティングの世界で、とても大切な物差しがクリック率です。表示された広告やリンクが、実際どのくらいクリックされているのか。それを数字で表したものです。

具体例で見てみましょう。バナー広告が1000回表示されて、50回クリックされたとすると、クリック率は5%。この数字を見ることで、コンテンツの魅力度や広告の効果が分かるんです。

クリック率を上げるコツはいくつかあります。まずは目を引くデザインと魅力的な言葉選び。それから、ユーザーの行動を考えた配置も大切です。記事の内容に関連したリンクを自然に組み込むと、クリック率が上がりやすいんです。

スマホとパソコンでは、使う人の行動が全然違います。それぞれの特徴に合わせた配置やデザインを考えましょう。定期的に効果を測って、より良い方法を探っていくのがコツです。

スクロール深度

ページのどこまで読んでもらえているのか。それを教えてくれるのがスクロール深度という指標です。

ページの一番上から下までを100%として、どこまでスクロールされたかを測ります。例えば、75%まで多くの人が読んでいれば、そこまでのコンテンツは魅力的だったということ。逆に、ある場所で読むのをやめてしまう人が多いなら、そこに何か問題があるのかもしれません。

特に長い記事では、この分析が役立ちます。読者の興味が薄れそうな場所に見出しや画像を入れたり、大事な情報を上の方に移動したり。そんな工夫ができるんです。

ヒートマップ

ヒートマップは、サイトでの人の動きを色で見える化する強力なツール。クリックの位置やマウスの動き、スクロールの深さまで、一目で分かります。

赤い部分は関心が高いところ、青や薄い色は注目されていない場所。この情報を使えば、サイトのどこが効果的に働いているのか、どこを改善すべきかが見えてきます。

例えば、大事なボタンなのに見過ごされているとか、意外な場所でクリックが多いとか。そんな発見から、デザインやレイアウトの改善のヒントが得られるんです。

最近は「Clicktale」や「hotjar」といったツールで、簡単にヒートマップ分析ができます。定期的にチェックして改善を重ねることで、より使いやすいサイトづくりが可能になります。

第4章:分析ツールの選び方と導入

4-1. Webアクセス解析ツールの選び方

Google Analytics 4の特徴と活用法

Webサイトの分析ツールが、大きく進化しています。その代表格が「Google Analytics 4(GA4)」です。

GA4の特徴は、なんといってもその柔軟さ。スマホアプリとWebサイトを行ったり来たりするユーザーの動きも、スムーズに追跡できるようになりました。まるで空から見下ろすように、顧客の行動が一目で分かるんです。

さらに面白いのが、機械学習を使った予測機能。「このお客様は近々購入してくれそうだ」とか「この方は解約しそうかも」といった予測まで可能に。ビジネスの先を読むのに、とても役立ちます。

ページの閲覧だけでなく、スクロールや動画視聴、ファイルのダウンロードなど、様々な行動も自動で記録してくれます。自分のビジネスに合わせた独自の行動tracking(トラッキング)も設定できるんですよ。

レポート機能も使いやすくなりました。データが見やすく整理されているので、必要な情報がすぐに見つかります。思いがけない発見があるかもしれません。

無料と有料、どっちを選ぶ?

アクセス解析ツールには、無料版と有料版があります。まずは定番の無料ツール「Google Analytics」から見ていきましょう。

無料ツールのいいところは、やはりコストがかからないこと。しかも基本的な機能は十分に揃っています。アクセス数やページビュー、滞在時間、どこから来てくれたのかなど、必要な情報はしっかり分かります。

一方、有料ツールならではの強みもあります。例えば、ヒートマップでユーザーの行動を可視化したり、フォームの使われ方を詳しく分析したり。専門家のサポートも受けられるのが心強いポイントです。

では、どちらを選べばいいのでしょうか。個人ブログや小規模なサイトなら、無料ツールで十分かもしれません。でも、ECサイトや大きな企業サイトなら、有料ツールの詳細な分析が必要になってくるでしょう。

ツール選びの決め手は?

アクセス解析ツールを選ぶとき、まず考えたいのが自社の目標です。単純なアクセス数を知りたいのか、それとも詳しい行動分析が必要なのか。目的をはっきりさせることが大切です。

使いやすさも重要なポイント。必要なデータがすぐに見られて、カスタムレポートも簡単に作れる。そんなツールを選びたいものです。

予算との相談も忘れずに。無料ツールでも基本機能は充実していますが、より深い分析には有料ツールが必要かもしれません。投資効果をしっかり見極めましょう。

データの信頼性とセキュリティも大切な要素。特に個人情報を扱う場合は、プライバシー保護やセキュリティ機能の充実度もチェックが必要です。

最後に、サポート体制も見逃せません。導入時や運用中の困ったときに、すぐに相談できる環境があると安心です。

4-2. Google Analyticsの基本設定

アカウント作成とプロパティ設定のコツ

Google Analyticsを始めるなら、まずは基本をしっかり押さえましょう。アカウントとプロパティの設定が、正確なデータ収集の土台になります。

最初に必要なのが、アカウントの作成です。これは会社や組織の「大きな箱」のようなもの。その中に、複数のプロパティを入れていくイメージです。会社名や規模、業種など、基本情報を入力していきましょう。

次はプロパティの設定です。プロパティは、個々のWebサイトやアプリを管理する単位。基本的には「1サイト1プロパティ」がおすすめ。例えば、メインサイトとECサイトがあれば、それぞれ別々のプロパティにすると、より細かな分析ができます。

プロパティを設定する際は、以下の4点に特に気をつけましょう:

– 測定IDの取得と実装

– データストリームの設定

– タイムゾーンと通貨の設定

– サイトの基本情報の入力

複数のサイトがある場合は、こんな階層構造にすると管理しやすいですよ:

会社名(アカウント)

└─メインサイト(プロパティ1)

└─ECサイト(プロパティ2)

└─ブログ(プロパティ3)

ただし、一度設定したら変更できない項目もあるので、最初の設定は慎重に。特にデータ収集は設定時点からしか取れないので、要注意です。

目標設定とイベント計測の基本

サイトの成果を測るなら、目標設定とイベント計測が欠かせません。目標設定では「このアクションを取ってほしい」という具体的な行動を定義。商品購入や資料請求、メルマガ登録など、サイトの目的に合わせて設定できます。

設定は管理画面から簡単にできます。目標の種類を選んで、具体的な数値や条件を指定するだけ。初めてなら、主要な目標を1~2個に絞るのがコツです。

一方、イベント計測は「見えにくい行動」を追跡する機能。動画再生やファイルダウンロード、外部リンクのクリックなど、細かな動きも把握できます。

イベントの設定には、Googleタグマネージャーが便利。サイトのコードを直接いじらなくても、様々な行動を追跡できるんです。設定したイベントは目標としても使えて、より深い分析が可能に。

フィルター設定でデータの精度を上げる

正確な分析には、フィルター設定が重要です。不要なデータを除外することで、より確かな判断ができるようになります。

まず気をつけたいのが、自社スタッフのアクセス。開発チームや運営メンバーの頻繁なチェックは、データを歪めてしまいます。特定のIPアドレスを除外する設定で、この問題は解決できます。

テスト環境からのアクセスも要注意。開発環境やステージング環境は、実際のユーザーデータとは分けて管理しましょう。ホスト名やサブドメインでフィルターをかければOKです。

ボットやクローラーのアクセスも気になりますよね。でも大丈夫。Google Analyticsには便利なボットフィルター機能が。管理画面から簡単に設定できます。

ただし、フィルターには注意点も。一度除外したデータは戻せないので、新しいフィルターは別ビューで試してみることをおすすめします。また、元データは大切に。フィルターなしの「未加工」ビューは必ず残しておきましょう。

ただし、フィルター設定には注意点があります。一度除外したデータは復元できないため、新しいフィルターを適用する際は、まず別のビューで試験的に設定し、データの変化を確認することをお勧めします。また、未加工のデータを保持するため、フィルターを適用していない「未加工」ビューを必ず保持しておくことも重要です。

4-3. 初心者向けダッシュボードの作り方

必要な指標を見極めよう

Web分析では、たくさんの数字が飛び交います。でも、全部を追いかける必要はありません。本当に大切な指標を見極めることから始めましょう。

まず押さえたいのが、ビジネスの目的に直結する指標です。ECサイトなら売上や注文数、メディアならPV数やユニークユーザー数。サイトの特徴に合わせて、3~5個程度に絞るのがコツ。これらが日々のチェックポイントになります。

その次に、補助的な指標を選びます。直帰率や滞在時間、コンバージョン率など。主要指標の変化の理由を探るときに、これらが手がかりになるんです。ただし、欲張りすぎると焦点がぼやけるので、必要最小限に。

大切なのは、指標は生き物だということ。ビジネスの成長に合わせて、重視すべき指標も変わっていきます。例えば、立ち上げ期は認知度重視、成長期は収益重視といった具合に。

見やすいレイアウトのコツ

データは「見やすく」が基本。チームの誰もが必要な情報にサッとアクセスできるよう、ダッシュボードは工夫して作りましょう。

まずは重要な指標を画面の上部に。PV数やコンバージョン率など、よく見る数字は一目で分かる場所に置きます。関連する指標はグループにまとめて、見出しもハッキリと。

グラフ選びも大切です。時系列データなら折れ線グラフ、構成比なら円グラフが見やすい。ただし、一つの画面に詰め込みすぎないように。必要に応じてタブで整理すると、すっきりします。

色使いにも気を配りましょう。重要な数字は目立つ色で、補助的な情報は控えめに。色は3~4色程度に抑えめにすると、見た目も統一感が出ます。色覚の個人差にも配慮を忘れずに。

レポート作成を自動化しよう

定期レポートの作成、実は自動化できるんです。手作業の時間を節約して、より価値の高い分析に時間を使えます。

Google Analyticsなら、カスタムレポートを定期的にメール配信できます。例えば「毎週月曜の朝9時に先週分のデータを自動送信」といった具合に。設定も簡単、レポート画面から数クリックでOKです。

さらに進んで、Google データポータル(Looker Studio)を使えば、もっと柔軟なダッシュボードが作れます。データがリアルタイムで更新されるので、いつでも最新情報をチェックできるんです。

自動化は小さく始めるのがコツ。少しずつ範囲を広げていけば、無理なく効率化できます。浮いた時間は、データの深い分析や改善策の検討に使いましょう。

第5章:データを活用した改善サイクル

5-1. PDCAサイクルを効果的に回そう

データから見えてくる課題

Webサイトの改善には、まずデータの力を借りましょう。Google Analyticsなどのツールを使えば、サイトの問題点が客観的に見えてきます。

最初に確認したいのが基本的な数字。PV数や直帰率、滞在時間といった指標から、サイト全体の健康状態が分かります。例えば、あるページの直帰率が突出して高いなら、そこに何か問題があるのかもしれません。

ユーザーの行動パターンを追いかけると、もっと具体的な課題が見えてきます。どのページで離脱が多いのか、どの道筋で成果につながっているのか。特に重要なページでの離脱は要注意です。

スマホとパソコンで見比べたり、年齢層や地域ごとの違いを見たり。様々な角度からデータを眺めることで、思わぬ発見があるものです。

見つかった課題は、影響の大きさと改善のしやすさで優先順位をつけましょう。小さな改善から始めて、徐々に大きな課題に取り組んでいくのがコツです。

改善案を考えて実行する

課題が見つかったら、次は具体的な改善策を考えます。ここでも計画的なアプローチが大切です。

まずは目標をハッキリさせましょう。「直帰率を25%下げる」「コンバージョン率を1.5倍に」など、具体的な数字があると効果も測りやすくなります。

改善案は、いろんな角度から考えてみましょう。使いやすさを良くする、コンテンツを充実させる、デザインを見直すなど。実現できそうか、どれくらいの手間がかかるか、効果はどのくらい期待できるか。そんな視点で優先順位をつけていきます。

実施するときは、一気に大きく変えるのではなく、少しずつ進めるのがおすすめ。効果をしっかり測れるし、必要なら軌道修正もできます。

効果測定のコツ

改善策を実行したら、次は効果測定です。ここでの発見が、次の一手につながります。

効果測定は月単位がちょうどいい。毎日チェックすると、一時的な変動に振り回されがち。定期的なタイミングで、複数の指標をじっくり見ることで、本当の効果が分かってきます。

一つの数字だけでなく、関連する指標も合わせて見るのがコツ。例えば直帰率を改善したいなら、滞在時間やページ閲覧数も一緒にチェック。そうすることで、ユーザーの行動変化がより深く理解できます。

測定結果は必ずメモを残しましょう。数字の変化だけでなく、実施した施策の内容や外部要因も含めて。これが将来の改善のヒントになります。

最後に大切なのは、次のアクションにつなげること。うまくいった施策はさらに磨きをかけ、期待通りでなかったものは原因を探って方向修正。このサイクルを回し続けることで、着実な改善が実現できるんです。

5-2. 分析結果の共有と活用方法

レポーティングの基本フォーマット

Web分析のレポート作り、実は大切な工程なんです。データから見えてきた発見を、チームで共有して改善につなげる架け橋になります。

レポートの肝は、まずサマリー。期間中の重要な数字の動きや気づきを、サクッとまとめましょう。長々と説明するより、グラフや数字で変化を見せる方が分かりやすいものです。

次に、KPIの達成状況をじっくり報告。目標値との比較や、去年と今年の違いなど。ただ数字を並べるだけじゃなく、「なぜそうなったのか」という背景も大切です。

改善施策については、具体的な数字で効果を示します。予想と実際の結果が違っていたら、そこから学んだことも共有。次の一手を考える材料になりますよ。

データを見える化しよう

複雑なデータも、見える化すれば分かりやすく伝わります。チームの中でのコミュニケーションもスムーズに。より良い判断のサポートになるんです。

まずは、データの特徴をつかむことから。時間の流れを見せたいなら折れ線グラフ、割合を示すなら円グラフ。比較するなら棒グラフが効果的です。

色使いにも工夫が必要。3〜4色程度に抑えめにして、統一感を出しましょう。大事な数字は目立つ色で、補助的な情報は控えめに。色覚の個人差にも気を配ると◎。

画面の作り方も大切です。重要な情報は上の方に。関連する指標はまとめて表示。詰め込みすぎないよう、必要に応じてタブで整理するのがコツです。

関係者との共有方法

分析結果の共有は、組織全体でデータに基づく判断をするために欠かせません。でも、共有の仕方を間違えると、せっかくの分析も活きてきません。

まず大切なのは、相手に合わせた情報の出し方。経営層には全体の傾向と重要なKPI、現場には具体的な数字と詳しい分析を。受け手の立場で考えましょう。

定期的な報告の仕組みも重要です。週次や月次など、決まったタイミングで共有すれば、変化が分かりやすく、理解も深まります。みんなが報告を待ち構えるような、そんな環境づくりを。

視覚的な要素も効果的に使いましょう。グラフや図表があれば、複雑なデータも直感的に理解できます。ただし、伝えたいポイントを明確に。シンプルさを心がけて。

共有後のフォローも忘れずに。質問や意見には積極的に対応し、必要なら追加の分析も。組織全体のデータ活用力を高める、そんな好循環を作っていきましょう。

5-3. Web分析でよくある失敗と対策のポイント

データの誤解釈を防ぐポイント

Web分析の世界で最も怖いのが、データの読み違い。ちょっとした誤解が、大きな判断ミスにつながりかねません。

まず大切なのが、データの信頼性。具体的な数字や統計を基に分析することで、より確かな判断ができます。特にアクセス解析では、自社からのアクセスは除外するなど、正確なデータ収集を心がけましょう。

継続的な計測も欠かせません。一時的なデータだけでは、本当の傾向は見えてきません。定期的な分析を習慣にすることで、より確かな洞察が得られるんです。

「たぶん」「おそらく」といった曖昧な表現は避けましょう。事実に基づく判断が大切です。主観的な解釈は、分析を間違った方向に導きかねません。

数字の増減だけでなく、その背景も理解することが重要。例えば、アクセス数が増えた。でも、それは一時的なキャンペーンの効果?それとも地道な改善の成果?しっかり見極めが必要です。

改善施策の優先順位をつける

すべての課題に一度に取り組むのは、現実的ではありません。優先順位をつけて、効果的に改善を進めていきましょう。

まず考えたいのが、ビジネスへの影響度。売上や利益への貢献、お客様満足度への効果など。企業にとって重要な指標への影響が大きい施策を優先します。ただし、効果の予測は現実的に。過去のデータや似たような事例を参考にしましょう。

実施のしやすさも重要なポイント。技術面での実現可能性、必要な人員や時間、予算など。短期間で成果が出せる「クイックウィン」的な施策は、優先度を上げても良いかもしれません。

施策同士のつながりにも注目。ある施策を実施するために、別の準備が必要なケースも。例えば、詳しい行動分析をするなら、まずアクセス解析の精度を上げる必要があるかも。

長期的な改善計画の立て方

継続的な改善を実現するには、長期的な視点が欠かせません。3〜5年先を見据えた計画づくりを心がけましょう。

まずは、現状のWebサイトやビジネスの立ち位置を確認。将来どんな姿を目指すのか、経営層や関係部署としっかり話し合って決めていきます。

次に、そのビジョンを実現するためのロードマップ作り。大きな目標を小さな目標に分解して、達成時期やリソースを具体的に。ただし、柔軟性は残しておきましょう。Web業界は変化が早いもの。状況に応じて修正できる余地を残しておくのがコツです。

組織づくりも大切な要素。担当者の育成や知識の共有、外部との連携体制など。人の面からも長期的な視点で考えます。

定期的な振り返りも忘れずに。四半期や半期ごとに進み具合をチェックして、必要なら計画を調整。数字だけでなく、改善活動の質も評価していきましょう。

まとめ

今やWeb分析は、ビジネスを成長させる必要不可欠な道具となっています。特にGoogle Analytics 4の登場で、お客様の行動がより細かく見えるようになりました。

効果的な分析のコツは、まず目的をハッキリさせること。基本的なPV数やユーザー数から、より高度なコンバージョン率やLTVまで。自社の目標に合わせて、本当に必要な指標を選びましょう。

ツール選びも大切なポイントです。無料と有料、それぞれの特徴をしっかり理解して。会社の規模や目的に合わせて、最適なものを。タグの設置やプライバシーポリシーなど、基本設定もお忘れなく。

そして何より大切なのが、集めたデータの活用方法。定期的な報告と分析結果の共有。具体的な改善策を実行に移すことで、サイトの価値は最大限に高まっていきます。

Web分析は、単なる数字集めではありません。ビジネスの成長を支える、戦略的な武器として使いこなしていきましょう。

執筆者:飛蝗
SEO対策やウェブサイトの改善に取り組む一方で、社会や経済、環境、そしてマーケティングにまつわるコラムも日々書いています。どんなテーマであっても、私が一貫して大事にしているのは、目の前の現象ではなく、その背後にある「構造」を見つめることです。 数字が動いたとき、そこには必ず誰かの行動が隠れています。市場の変化が起きる前には、静かに価値観がシフトしているものです。社会問題や環境に関するニュースも、実は長い時間をかけた因果の連なりの中にあります。 私は、その静かな流れを読み取り、言葉に置き換えることで、「今、なぜこれが起きているのか」を考えるきっかけとなる場所をつくりたいと思っています。 SEOライティングやサイト改善についてのご相談は、X(@nengoro_com)までお気軽にどうぞ。
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