ページの表示が遅いと、読まれる前に離脱され、検索順位も下がっていく。PageSpeed Insightsで低いスコアを見ると、不安になりますよね。
でも本当に見るべきなのは“点数”ではなく、“読者がストレスなく読み始められる速さ”です。
この記事では、ページ速度がSEOに影響する理由と、PageSpeed Insights・Core Web Vitalsの正しい使い方を整理します。対象は、WordPressなどでサイトを運営している人。速度改善の必要性は感じているけれど、何から始めればいいかわからない方へ向けています。
100点を目指す必要はありません。読まれる速さをつくる。そのために、今すぐできる改善の順番と考え方を、いちばんやさしく解説します。
【1】なぜページが遅いとSEOで不利になるのか?

ページの読み込みが遅いだけで、検索順位が下がることがあります。でもそれは「Googleが速いサイトを好きだから」ではありません。遅いページは読まれず、すぐ閉じられる=ユーザー体験が悪いからです。つまりページ速度は、SEOのテクニックというより、「読者の時間を奪わないための最低条件」に近い。
ここでは、なぜGoogleがページ速度を評価軸に入れたのか、遅さがどう順位に影響するのかを、できるだけ感覚的にわかる形で整理します。
1-1. Googleが「速さ」を評価軸に入れた本当の理由
Googleは「ユーザーがすぐ答えにたどり着けること」を最優先にしています。表示が遅いページだと、ユーザーは待ちきれず戻る。その瞬間、Googleはこう判断する。
このページは、ユーザーの役に立たなかった。
だから評価が下がる。Googleが速さを重視するのは、「検索エンジンの都合」ではなく「読み手の時間を守るため」です。速さはユーザー体験そのものだということです。
1-2. ページが遅いと読まれる前に離脱されるしくみ
ページ速度が遅いと、こんな現象が起きます。
- 読み始める前に、戻るボタンを押される
- スクロールされないまま、滞在時間が短く終わる
- 広告も商品リンクも見てもらえず、収益にならない
これらはすべてGoogleに記録される行動データであり、検索順位に反映されるサインになります。
遅いこと自体が悪いのではなく、「読まれない」「離脱が増える」ことが問題なんです。
1-3. Core Web Vitalsで“読まれる速さ”が数値化された背景
Googleは「速さ」を単なる印象では測りません。Core Web Vitals(コアウェブバイタル)という実測データで判断します。特に重要なのは3つ。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | 画面のメイン部分が表示されるまでの時間 |
| FID/INP | 最初の操作(タップ・クリック)が反応するまでの時間 |
| CLS(Cumulative Layout Shift) | 表示中にレイアウトがズレる度合い |
これらは「速く開くか」「ちゃんと触れるか」「勝手に動かないか」を測る数字です。Googleが2021年から正式にSEO評価に組み込んでいます。
ページ速度を上げるのは、Googleの機嫌を取るためじゃない。読者が読み始める前にストレスを感じないようにするためです。Core Web Vitalsはその体験を数字で可視化したもの。だからこそ、SEO=検索順位を上げたいなら、まず「ストレスなく読める速さ」をつくることから始まります。
【2】PageSpeed Insightsの点数に振り回されないために

PageSpeed Insights(PSI)を開いて点数が赤や黄色だと、正直落ち込みますよね。でも、「点数=検索順位」ではないんです。むしろ大切なのは、この数字が「何を示していて」「どこまで気にするべきなのか」を知ること。ここを間違えると、頑張って改善しても順位も読者も増えないまま終わってしまいます。
この章では、PSI点数の正しい意味・限界・どこを見るべきかを整理します。
2-1. PSIのスコアは「リアルな体験」ではなく“仮想テストの結果”
PSIの数値は、Googleが仮想環境でページを読み込んだときの結果です。つまり “実際の読者の体験”ではなく、テスト上の速度評価に近い。このため、以下のようなズレが起きます。
- 自分では普通に開けるのに、PSIでは40点とか出る
- 実際の読者は快適に読んでいるのに「改善が必要」と表示される
- 逆に、点数90なのに離脱率が高いサイトもある
点数はあくまで「改善ポイントを知るための参考データ」。順位や読者の反応そのものではないと理解しておくことが大事です。
2-2. スマホの点数が低く出るのはなぜか(誤差と理由)
スマホ表示の点数が極端に低くて焦る人は多いです。でも理由があります。
- テスト環境が「低性能スマホ+遅めの4G回線」だから
- 広告・JS・アニメーションが多いと影響を受けやすい
- 画像1枚が重いだけで、一気にスコアが落ちることもある
だから必要以上に落ち込む必要はありません。ただ、モバイルでストレスなく読めるかどうかは実際の読者にとって重要なので、無視していいわけでもない。そのバランスを見極めることが大切です。
2-3. スコアより大事なのはLCP・CLS・サーバー応答時間だけ
PSIの全てを改善しようとすると終わりがありません。まず押さえるべき最低限の指標は、この3つです。
| 優先項目 | なぜ大事か |
|---|---|
| LCP(メインコンテンツの表示速度) | 読みたい情報がすぐ見えると、離脱が大きく減る |
| CLS(表示のズレ・カクつき) | ボタンが動いたり広告がズレると、読者が誤タップしてストレスになる |
| サーバー応答時間(TTFB) | そもそもサーバーが遅いと、何をしても速くならない |
この3つが平均以上なら、点数が70でも検索順位は落ちにくいです。逆に、点数90でもLCPやCLSが悪いとSEO評価が伸びません。
PSIの点数は、自分の努力を否定するものではありません。あの数字は“今の状態を知らせるライト”のようなものです。完璧じゃなくて大丈夫。ただ、読者がストレスなく読める最低ライン――LCP、CLS、サーバー応答時間だけ押さえておけば十分です。100点じゃなくても、ちゃんと読まれるサイトは作れます。
【3】PageSpeed InsightsとSearch Consoleの違いを知らないと迷子になる

PageSpeed Insights(PSI)とSearch Consoleは、どちらもサイトの速度や評価を見られるツールですが、役割もデータの性質もまったく違います。この違いを理解しておくと、「PSIは90点なのに、Search Consoleでは改善が必要と出る」という矛盾もうまく説明できます。
3-1. PSI=テスト環境の速さ、Search Console=実際の読者の速さ
PSIはGoogleが用意したテスト環境でサイトを読み込み、「理論的にどのくらい速く表示できるか」を数値化しています。一方、Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートは、リアルユーザーが実際にページを見たときの速度・体験のデータです。
- PSI:理論値(ラボデータ)
- 明るい部屋、強いWi-Fiでテストしているようなもの
- 点数や改善案をすぐに確認できる
- Search Console:実測値(フィールドデータ)
- 低速スマホ、地下鉄、地方回線──あらゆる環境の現実のログ
- ユーザーの8割以上が体験したデータが反映される
つまり、
・PSIは「理想の環境でのあなたのサイト」
・Search Consoleは「現実の環境での読者の体験」
を表しているということです。
3-2. 「PSIは90点、でもSearch Consoleでは改善必要」になる理由
PSIだけ見ていると「うちのサイト、速いはずなのに」と感じることがあります。理由はシンプルで、PSIの条件は現実より甘めだからです。
、たとえば:
- 読者の半分以上がモバイル回線でアクセスしている
- 画像がすべてスマホサイズに最適化されていない
- 広告・アナリティクス・SNS埋め込みなど、本番環境では負荷が増えている
Search Consoleは、こうした“リアルな読み込み状況”をスコアに反映します。だからこそ、SEO効果を見るならPSIだけで判断しない方がいいんです。
3-3. どちらを優先すべきか(判断基準と正しい使い方)
結論から言うと、順位やSEO評価に影響するのはSearch Consoleの数値です。ただし、改善の手がかりや具体策を見つけるにはPSIが便利。
なので、使い分けの基準はこうなります。
| 判断したいこと | 見るべきツール |
|---|---|
| 改善すべき項目・原因を知りたい | PageSpeed Insights |
| 実際の読者の体験やSEO評価に影響があるか | Search Console(Core Web Vitals) |
| 変化や再テストを素早く見たい | PageSpeed Insights |
| Googleが評価している基準を知りたい | Search Console |
改善ステップとしては、
- PSIで課題を見つける
- Search Consoleで本当に影響しているか確認する
この順番がいちばん無駄がありません。
PSIは“理想の状態を映す鏡”で、Search Consoleは“読者が実際に感じた速さそのもの”。どちらか一方だけでは判断できません。まずPSIで改善のヒントを見つけて、Search Consoleで本当に改善されたかを確かめる。それがいちばん迷わない方法です。
【4】全部やらなくてOK|SEOに効く速度改善の優先順位

速度改善と聞くと、専門用語や細かい対策がずらっと並んで気が遠くなる人もいるはずです。でも、すべてを一気に理解しなくても大丈夫。SEOや読者の体験に影響するのは、じつは限られた部分だけです。効果が大きい場所から手をつければ、サイトは十分「読まれる状態」に近づきます。
4-1. 最初に直すべきは「LCP・画像・サーバー応答」だけ
速度改善の中でも、読者のストレスに直結するのはこの3つです。
| 優先項目 | なぜ重要か |
|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | ファーストビューの画像や見出しが何秒で表示されるか。3秒を超えると読み始めてもらえなくなる。 |
| 画像の重さ(サイズ・形式) | ページの読み込み時間の多くは画像で占められる。JPEG→WebP、圧縮だけで数秒短縮できることもある。 |
| サーバー応答速度(TTFB) | ブラウザが「ページのデータください」と送ってから返ってくるまでの速さ。ここが遅いと何を軽くしても速くならない。 |
SEOに効果があり、ユーザーの離脱も防げる。まずはここだけ。
4-2. 後回しにしていい改善(点数は上がるけど順位には響かない)
PSIのスコアを上げるだけなら役立つけれど、優先度は低めなものもあります。
- CSS・JavaScriptの圧縮や分割
- Webフォントの最適化や遅延読み込み
- critical CSS の分離、不要コードの削除
- defer / async のスクリプト読み込み設定
これらは間違ってはいません。ただ、初心者が最初にやるにはリスクもあります。見た目が崩れることもあるし、手間のわりに順位や読者の体験が変わらないことも多いです。
4-3. 「スコアを上げる作業」と「読まれる速さを作る作業」は違う
目的によって、やるべきことも変わります。
| 目的 | やるべきこと | 注意点 |
|---|---|---|
| PSIスコアを上げたい | CSS・JS圧縮、Webフォント削減、使ってないコード削除 | デザイン崩れや表示不具合につながることもある |
| SEO・読者のために改善したい | LCP改善、画像軽量化、サーバー高速化、キャッシュ活用 | 体感として「速くなった」と感じてもらいやすい |
数字を良くする作業と、読者に届くサイトにする作業は、似ているようで違います。迷ったら「読者にとって読みやすいか」で判断すれば大きく外れません。
完璧に全部やらなくても大丈夫です。まずはLCP・画像・サーバー、この3つだけ整えておけば、読者はちゃんと読んでくれます。100点じゃなくても、届くサイトは作れます。
【5】初心者でもできる|今日から始めるページ速度改善(WordPress)

「速度が大事なのはわかった。でも何から手をつけたらいいのか…」という段階で止まってしまう人が多いです。ここでは、専門知識がなくてもできる“最初の3ステップ”にしぼって紹介します。PageSpeed Insightsの赤い数字を見る前に、まずはここだけ整えておけば大丈夫です。
5-1. 画像を軽くするだけでLCPは大きく改善できる
ページが重くなる原因の半分以上は、実は「画像のサイズ」です。特にスマホでは、1枚の大きな画像が読み込み全体を遅らせます。
すぐに試せる方法:
- JPEG/PNG → WebP形式に変換
- TinyPNG / Squoosh / EWWW Image Optimizer などで圧縮
- 記事の下にある画像はLazy Load(遅延読み込み)にする
画像を軽くするだけで、LCP(メイン画像の表示速度)が速くなり、PageSpeed Insightsのスコアも改善しやすくなります。
5-2. 使っていないプラグイン・テーマが遅さの原因になることも
WordPressでは“使っていないプラグイン”が表示速度の足を引っぱることがあります。
チェックポイント:
- 有効化されているけど使っていないプラグインがないか
- 同じ機能のプラグインが重複していないか
- 多機能で重いテーマを使っていないか(→軽量テーマに変更できるか)
読み込むものが少ないほど、表示までの時間は短くなります。コードを触らなくても、整理するだけでサーバーの負荷を減らせます。
5-3. キャッシュ設定で「毎回読み込まない仕組み」を作る
キャッシュとは、「1回表示したページを保存しておいて、次からはすぐに見せる仕組み」です。
導入しておくべき設定:
- WP Fastest Cache / W3 Total Cache / LiteSpeed Cacheなどのプラグイン
- ブラウザキャッシュ(ユーザー側に保存)
- サーバーキャッシュ(サーバー側の負担を減らす)
難しい設定は必要ありません。初期設定のままでも体感速度が変わることがあります。
全部覚える必要はないです。画像を軽くする、使わないプラグインを外す、キャッシュを入れておく。それだけでも、ちゃんと読まれる速度に近づけます。専門家じゃなくても、サイトは十分速くできます。
【6】100点を狙わない方がいい|やりすぎ改善による失敗例

PageSpeed Insightsの点数が低いと、つい「100点にしなきゃ」と思ってしまいます。けれど、点数だけを追いかけると、逆に読みにくくなったり、デザインが壊れたりすることがあります。速度改善は「速くすること」ではなく、「読める状態を保つこと」が目的です。
6-1. 速くなったのに読まれなくなるサイトの共通点
速度改善をがんばった結果、こんな落とし穴にはまる人がいます。
- 画像を圧縮しすぎて ぼやける・荒くなる
- CSSやJavaScriptを削除しすぎて メニューやボタンが動かなくなる
- Webフォントをやめすぎて ブランド感が消える・読みづらくなる
- 点数だけ100点だけれど 滞在時間がむしろ下がる
「速くなったけど、読みたくならないサイト」では意味がありません。Googleが評価しているのは、点数ではなく“使いやすさと読まれている事実”です。
6-2. やりすぎを防ぐ5つのチェックポイント
速度改善後、次の5つだけ確認しておけば失敗は防げます。
✔ デザインが崩れていないか(レイアウトのズレ)
✔ 画像の荒さや色味の変化が目立たないか
✔ メニュー・スライダー・ボタンがちゃんと動くか
✔ スマホで文字が小さすぎたり、タップしにくくなっていないか
✔ 常連の読者が見ても「別サイトみたい」と感じないか
特にスマホでの最終確認は必須です。PageSpeed Insightsは機械が評価しますが、読者は人間です。
6-3. 100点ではなく「安定した80点」の方が評価される理由
Google自身が「Core Web Vitalsはランキング要素の1つにすぎない」と公表しています。つまり、点数が80〜90でも、読者が快適ならそれで十分評価されるということです。
覚えておきたい考え方:
- 内容 > 体験 > スコア の順に評価される
- 100点を目指すより、安定して80点を出し続けるほうが大事
- スコアは目的じゃなく、改善方向を示す“道しるべ”
完璧な点数はいりません。画像やデザインを壊してまで速度を上げる必要もない。読める、使える、それだけで十分評価されます。まずは整えすぎないこと。それが一番長く続けられるやり方です。
【7】速度改善で本当に何が変わる?|検索順位・滞在時間・収益

「速度を上げても、本当に意味あるの?」と感じている人も多いはずです。結論から言うと、ページ速度を整えると、点数だけではなく検索順位・滞在時間・広告収益・読者の反応まで変わります。この章では、実際の数値と体験から、その「変化のリアル」を整理します。
7-1. スコア50→85に改善したブログの“現実の変化”
あるWordPressブログで、次のような改善を行いました。
- 画像のWebP化+遅延読み込み(LCPが改善)
- 不要プラグインの削除(JS読み込み削減)
- サーバーキャッシュの有効化(応答速度改善)
その結果、数字はこう変わりました。
| 指標 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| PageSpeed Insights (モバイル) | 50 | 85 |
| 離脱率 | 78% | 65% |
| 平均滞在時間 | 45秒 | 1分18秒 |
| 検索順位(主要キーワード) | 12位 | 6位 |
| 広告収益 | 約1.2倍 |
重要なのは、「点数が上がったからSEOが伸びた」のではなく、“読まれる状態になったから検索順位も広告収益も動いた”という点です。
7-2. 読者の行動・反応がどう変わったか(滞在時間・シェアなど)
速度改善の効果は数字だけではありません。体感や読者の行動にも表れてきます。
- スマホでの読み込みが早くなり、離脱率が下がる
- 記事の続きを読んでもらいやすくなる(回遊率アップ)
- SNSでシェアされる機会が増える
- 「読みやすくなった」「前よりスムーズ」などの声が届く
読者は3秒以上待つと、約半数がページを閉じると言われています。速さは、丁寧さや思いやりに近いものです。
7-3. Core Web Vitalsが安定すると、順位も評価も長く続きやすい
速度を改善したあと、Core Web Vitals(LCP・CLSなど)が安定して“良好”になると、検索順位のブレも小さくなります。
理由はこうです:
- Googleは「安定して快適なページ」を継続的に評価する傾向がある
- コンテンツだけでなく、速度とUXも揃っているサイトは、アルゴリズム更新の影響を受けにくい
- 短期的な点数ではなく、“継続的に速く読める状態”が信頼につながる
速度を上げると変わるのは点数だけじゃない。読まれる時間も、順位も、声の届き方も変わっていく。劇的じゃなくていい。1秒早くなるだけでも、読者のストレスは確実に減っていきます。
【8】サイトを軽いまま保つための運営ルーティン

ページ速度は「一度改善すれば終わり」ではありません。記事が増えるたびに画像やプラグインも増え、サイトは少しずつ重くなっていきます。この章では、初心者でも続けられる“軽さを保つ習慣”を整理します。
8-1. サイトは放っておくと必ず重くなる理由
ブログやサイトを運営していると、何もしていなくても速度は落ちていきます。
よくある原因は次の通りです。
- 画像ファイルが増えて、読み込みに時間がかかる
- 使っていないプラグインが裏で処理を続けている
- サーバーキャッシュやデータベースにゴミが溜まっていく
- 新しい記事を書くたび、CSSやJSの読み込みも少しずつ増える
だからこそ、速度を維持することもSEO対策の一部と考えることが大切です。
8-2. 月1で十分|速度を保つための簡単ルーティン
続けられない対策に意味はありません。そこで、最低限これだけで十分という内容に絞ります。
月に1回やっておきたいこと
- PageSpeed Insightsでトップページ・アクセスの多い記事をチェック
- 2MBを超える重い画像が増えていないか確認
- 使っていないプラグイン・テーマを削除
- キャッシュプラグインを再設定・クリア(WP Fastest Cache、W3 Total Cacheなど)
- Search Consoleの「Core Web Vitals」で警告がないか確認
年1〜2回でいいこと
- サーバーのPHP・MySQLバージョンの更新
- 不要なリダイレクトや重複URLの見直し
- サーバー移転(今の環境で限界を感じたときだけ)
8-3. “あとで直す”ではなく“最初から重くしない作り方”へ
速度対策を続けるコツは、修正ではなく「最初から軽く作る」ことです。
記事を書くときに意識しておくといいポイントは以下です。
- 画像はアップロード前に圧縮(200KB以下を目安に)
- WebP形式を基本にする
- 不要な装飾・アニメーション・複雑なブロックを増やさない
- YouTubeなどの埋め込みは「遅延読み込み(lazy load)」を使う
- プラグインは“本当に必要なものだけ”に絞る
運営の型さえ作れば「毎回スピードを気にする必要」はなくなります。
速度改善は、一度やって終わりじゃない。続けられる形にしてしまえば、重くなる前に気づけるようになる。完璧じゃなくていい。ただ、気づいたときに少しだけ手を入れる。それだけで、サイトはずっと読みやすく保てます。
【9】まとめ|完璧より“読まれる速さ”を目指す
ページ速度の改善は、Googleのためだけにやるものではありません。検索順位のルールが変わったからでもありません。誰かがあなたの記事を開いてくれた、その瞬間の時間を無駄にしないために行うものです。速いサイトはSEOに強い。でも、それ以上に「読者への礼儀」なんです。
9-1. スコア100点じゃなくてもSEOで戦える理由
PageSpeed Insightsのスコアは、あくまで“道しるべ”です。検索順位や読者の満足度を決めているのは、点数ではなく下記の3つ。
- メイン要素がすぐ表示されるか(LCPが2.5秒以内かどうか)
- 読んでいる途中でレイアウトがズレないか(CLSが0.1以下か)
- ページを開いたとき、サーバーの応答が遅すぎないか(TTFB)
この3つが合格していれば、スコアが80点でも検索順位に悪い影響はありません。逆に、100点を目指すために画像を荒くしたり、メニューが動かなくなるほどJSを削るのは本末転倒です。
9-2. 速度改善の本質は「読み手の時間を奪わないこと」
ページを開くとき、読者は何も言わずに待ってくれます。3秒。たったそれだけ。でも、その3秒に間に合わなければ、半分の人はもう次のサイトに行ってしまう。
速度改善の目的は、「Googleに好かれるため」ではなく、
“読もうとしてくれた人を待たせすぎないこと”。
それは施策というより態度に近い。画像を軽くすることも、コードを整えることも、その優しさの一部です。
9-3. PSIの点数が怖い人へ|今日1つだけ直せば十分
PageSpeed Insightsを開くのが怖い日もあります。スコアが赤いと、自分の努力まで否定された気がする。それでも大丈夫です。
今やるべきことは、小さな一歩だけでいい。
- 画像を1枚だけWebPに変えてみる
- プラグインを1つだけ削除する
- PSIを今日は「見るだけ」にして終わる
それだけでも、昨日より前に進んでいます。完璧じゃなくて構いません。Core Web Vitalsも、前進し続けていれば必ず改善します。
速度改善は、数字を追いかける作業じゃない。あなたの文章を読もうとしてくれた人の時間を、丁寧に扱うこと。その積み重ねが、検索順位にも、読者の記憶にも残っていく。PSIの点数が低くても大丈夫です。あの数字はあなたの努力を否定するものじゃない。ただの「今を知らせるライト」。完璧じゃなくていい。80点でも、人の心には届きます。今日は一歩だけ進めば十分です。
編集後記
ページ速度の改善を意識するようになったのは、「ちゃんと読まれる前に閉じられるのが悔しかった」からです。文章に自信があっても、遅いだけで届かない。あの感覚は今も忘れていません。
私は技術が得意なタイプではありません。でも、画像を軽くする、プラグインを整理する、PSIを開いてみる。そんな小さな行動だけでも、読まれる確率は確かに変わっていきました。
速度対策は、完璧さよりも「読もうとしてくれた人への礼儀」に近いものだと思っています。点数が赤くても、自分が否定されたわけじゃない。ただ“今の状態を知らせてくれているだけ”。焦らなくて大丈夫です。
一気に全部やらなくていい。今日は画像をひとつ圧縮するだけでも前に進んでいます。そうやって整えた環境の先で、文章はようやく読まれ始めます。
編集方針
- PageSpeed Insightsの点数ではなく、「読まれる状態づくり」を最優先。
- 技術解説だけでなく、速度改善を行う理由と背景を明確に伝えることを重視。
- 初心者でも迷わないよう、重要な用語と改善ステップに絞って解説することを徹底。
- 点数100点ではなく、「LCP・CLS・サーバー応答時間」の改善を核心とする構成。
- 点数やエラーに不安を感じる読者に寄り添い、具体的な行動に移せる形にすることを意図。
- 「SEOのため」ではなく、「読者の時間を奪わないための速度改善」という視点を軸とする。
参照・参考サイト
Google Developers|PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/
Core Web Vitals(Google公式ドキュメント)
https://web.dev/vitals/
Google 検索セントラル|ページエクスペリエンスとは
https://developers.google.com/search/docs/appearance/page-experience?hl=ja
Search Console ヘルプ|Core Web Vitals レポート
https://support.google.com/webmasters/answer/9205520?hl=ja
LCP(Largest Contentful Paint)とは|web.dev
https://web.dev/lcp/
CLS(Cumulative Layout Shift)とは|web.dev
https://web.dev/cls/
サーバー応答時間を改善する方法(TTFB)|web.dev
https://web.dev/ttfb/
PageSpeed Insights スコアの仕組みと計算方法(Lighthouse)|Google Developers
https://developer.chrome.com/docs/lighthouse/overview/
事例で見る|WEBサイトページ表示速度改善方法とその結果
https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/5021/
ページ表示速度が遅いとSEOに影響があるのか?改善方法とは?
https://digital-marketing.jp/seo/impact-of-page-display-speed-on-seo/
ページスピードがSEOを左右する!表示速度を改善してCVにつなげる5つのステップ
https://media.future.ad.jp/guide-seo-pagespeed


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