頑張っているのに、なかなか成果につながらない。
毎日動いている。計画も立てている。それでも結果を見ると、思ったほど前に進んでいないことがあります。そんなときは、努力の量ではなく、「どこに力を使っているか」を見直すタイミングかもしれません。
やるべきことは、なんとなく見えている。けれど実際に動き出すと、手をつけやすい作業や得意なことから始めてしまう。本当に向き合うべき課題ほど、後回しになることもあります。
机に向かう時間が長いのに、前に進んでいる感じがしない。仕事でも勉強でも副業でも、そういう停滞は起こります。努力が足りないというより、目標へ届く順番で動けていないだけかもしれません。
この記事では、目標を具体化し、時間軸で分け、課題を見つけ、仮説から行動へ落とし込み、最後に優先順位を決める流れを「ゴール逆算5ステップ」として解説します。
やることを増やすためではなく、今どこに力を使うべきかを決めるための考え方です。勉強、仕事、副業など、やることが多くて何から手をつければいいか迷うときに、自分の動き方を見直すヒントにしてください。

【1】頑張っているのに成果が出ない理由

目標に向かって動いているのに、思ったように結果が出ない。
そんなときは、努力の量ではなく、力を使う場所を見直したほうがよい場合があります。
机に向かう時間はある。タスクもこなしている。記事や資料も作っている。
それでも成果につながる課題に手が届いていなければ、前に進んでいる感覚は持ちにくくなります。
実行していても成果まで時間がかかる理由
行動していることと、目標に近づいていることは同じではありません。
たとえば、次のような作業は「動いている」状態です。
・勉強時間を増やす
・ノートをきれいにまとめる
・資料を整える
・記事を増やす
・タスクを細かく片付ける
どれも必要な作業になることはあります。
ただ、成果を止めている原因が別のところにあるなら、作業量を増やしても変化は出にくくなります。
たとえば、語彙力が足りないのにノート整理ばかり続けても、点数は上がりにくいです。
まずは、今の行動が目標につながる課題に触れているかを見直します。
努力不足ではなく努力の向け先がズレている場合
成果が出ないと、「もっと頑張らないと」と考えがちです。
けれど、すでに十分動いているなら、量を増やす前に向け先を見直したほうがよいことがあります。
たとえば、次のような状態です。
・取り組みやすい作業ばかり進めている
・慣れた作業で安心している
・成果に近い課題ほど後回しになっている
・苦手な部分を避けて、得意なことに時間を使っている
努力そのものが無駄なのではありません。
ただ、目標に近づく順番で力を使えていないと、頑張っているのに成果が出にくくなります。
得意なことから始めると遠回りになる理由
やることが多いと、得意なことや簡単なことから始めたくなります。
進んでいる感覚を得やすいからです。
ただ、得意なことが目標達成に一番効くとは限りません。
受験で英語が大きな課題なのに、得意な国語ばかり勉強しても、全体の底上げにはつながりにくいです。
仕事でも、失注の原因がヒアリング不足なら、資料の見た目を整えるだけでは成果は変わりにくくなります。
得意なことから始めるのが悪いわけではありません。
ただ、順番を決めるときは「やりやすいか」ではなく、「ゴールに近づくか」で見たほうが判断しやすくなります。
ゴール逆算5ステップで行動の優先順位を決める
そこで使うのが、ゴールから逆算して行動を絞る考え方です。
記事内の図では、「英語の偏差値を70にする」という目標を例に、ゴール逆算5ステップの流れを整理しています。
・STEP1:課題・目標を決める
・STEP2:長期・中期・短期に分解する
・STEP3:ゴールから逆算して、さらに課題を分ける
・STEP4:仮説を立てて、施策を出す
・STEP5:優先順位を決める
流れとしては、まず目標を決めます。
次に、長期・中期・短期に分けます。
そのうえで、今の弱点を見つけ、やることを具体化し、最後に優先順位を決めます。
図の例では、語彙力と読解力が弱点として見えています。
そのため、最初にやることは「語彙力強化」と「読解演習」に絞られます。
ゴール逆算5ステップは、やることを増やすためのものではありません。
むしろ、広がりすぎた選択肢の中から、今やることを絞るために使います。
限られた時間と力を、目標に近い行動へ向けやすくする考え方です。

音声で聴く
この記事の内容を、Podcast形式の動画にもまとめました。マーケティングやサイト改善でゴールをどう設計するか、目的・指標・施策のつながりから音声で整理したい方はこちらから聴けます。
【2】STEP1:課題と目標を決めてゴールを具体化する

ゴールから逆算するには、最初に「何を解決したいのか」と「どうなれば達成なのか」をはっきりさせます。
ここが曖昧なままだと、動いているつもりでも、前に進んでいるのか判断しにくくなります。
まずは願望のまま置かず、あとから行動に落とせる言葉に変えていきます。
解決したい課題と達成したい目標を分ける
最初に見るのは、解決したい課題です。
たとえば「英語を頑張る」だけでは、何に困っているのかがわかりません。
英語の課題だけでも、いくつかに分けられます。
・単語が足りない
・長文が読めない
・テストで時間が足りない
・文法問題で失点している
仕事でも同じです。
「成果を出したい」だけでは広すぎます。
・提案が通らない
・商談数が足りない
・問い合わせ後の対応で止まっている
・顧客の課題を聞き切れていない
まずは、どこを良くしたいのかを言葉にします。
そのうえで、達成したい目標を決めます。
課題と目標を分けておくと、ただ頑張るのではなく、何を変えるために動くのかが見えやすくなります。
目標は達成したい状態がわかる言葉にする
目標は、「行動」ではなく「状態」で考えると決めやすくなります。
「毎日勉強する」は行動です。
一方で、「英語の偏差値を55から60にする」は達成したい状態です。
行動を目標にすると、やったかどうかは確認できます。
ただ、それが結果につながっているかまでは見えにくくなります。
たとえば、次のように置き換えます。
・資料を作る
→ 提案内容が伝わり、次の商談につながる状態を作る
・記事を書く
→ 問い合わせにつながる導線を改善する
・英語を勉強する
→ 英語の偏差値を55から60にする
目標を状態で表せると、このあと何を分解すべきかも考えやすくなります。
SMARTの考え方で目標の曖昧さをなくす
目標を具体化するときは、SMARTの考え方が使えます。
・Specific(具体的か):誰が見ても意味がわかるか
・Measurable(測定できるか):数字などで達成度を測れるか
・Achievable(達成可能か):現実的に目指せる範囲か
・Relevant(目的と関係しているか):自分の目的につながっているか
・Time-bound(期限があるか):いつまでに達成するか
「英語を頑張る」では、次の行動を決めにくいです。
これを「3か月後までに、英語の偏差値を55から60にする」と書くと、何を、どこまで、いつまでに変えたいのかがはっきりします。
SMARTは、5項目をきれいに埋めるためのものではありません。
目標を書いたあとに、「これで次の行動を決められるか」を確認するために使います。
少なくとも、何を、どこまで、いつまでに変えるのかが見えていれば、次のステップに進みやすくなります。
目標が曖昧だと次にやることも曖昧になる
ゴールがぼやけていると、日々の行動も大ざっぱになります。
「英語を頑張る」だけでは、何から手をつけるかを選べません。
・単語を覚えるのか
・文法を復習するのか
・長文を読むのか
・過去問を解くのか
どれをやっても、一応は英語の勉強になります。
だからこそ、目標が曖昧なままだと優先順位が決まりにくくなります。
仕事の「成果を出す」も同じです。
・顧客へのヒアリングを深めるのか
・提案内容を直すのか
・資料の見せ方を変えるのか
・商談後のフォローを見直すのか
目標を具体的にしておくと、次に何を見るべきかを選びやすくなります。
立派な宣言を作るためではなく、今向き合う課題を絞るためです。
【3】STEP2:長期・中期・短期に分けて行動に落とす
目標が決まったら、次は時間軸で分けます。
大きな目標のままだと、今日やることまで落とし込みにくくなります。
最終的にどうなりたいかは見えていても、途中でどこまで進んでいればよいのかが曖昧だと、行動計画もぼんやりします。
長期・中期・短期に分けると、遠いゴールと今やることをつなげやすくなります。
長期目標は最終的に到達したい状態にする
長期目標は、最終的に到達したい状態です。
たとえば、図の例では「英語の偏差値を70にする」が長期目標です。
ここでは、1〜2年後に志望校合格レベルまで到達することを目指しています。
ただ、この目標だけを見ても、今日何をすればよいかまでは決まりません。
英語の中にも、やることはいくつもあります。
・単語を覚える
・文法を復習する
・長文を読む
・リスニングを練習する
・問題を解くスピードを上げる
長期目標は、向かう方向を決めるために置きます。
ただし、それだけで毎日の行動まで決めようとすると、選択肢が多くなりすぎます。
中期目標は長期目標までの通過点にする
中期目標は、長期目標までの途中に置く通過点です。
いきなり偏差値70を目指すのではなく、途中でどこまで進んでいるべきかを決めます。
図の例では、次のように置いています。
・長期:偏差値70
・中期:偏差値65
・短期:偏差値60
中期目標を置くと、長期目標までの進み具合を確認しやすくなります。
遠いゴールだけを見て焦るのではなく、まずどこまで近づけばよいのかがわかります。
仕事でも同じです。
「売上を伸ばす」「提案の成果を上げる」「サイトから問い合わせを増やす」といった目標も、途中の到達点がないと日々の行動に落としにくくなります。
短期目標は今すぐ動ける大きさにする
短期目標は、実行に近い大きさまで小さくします。
図の例では、短期目標を「3か月で偏差値60にする」と置いています。
ここまで近づけると、次に見るべき課題が絞られます。
たとえば、確認するポイントは次のようになります。
・単語の抜けが多いのか
・文法の基礎はあるのか
・長文で大きく失点しているのか
・リスニングは平均レベルなのか
・解くスピードが遅いのか
短期目標を置くことで、「英語を頑張る」ではなく、「今の弱点に合わせて何をやるか」を考えやすくなります。
仕事でも、「提案をよくする」だけでは動きにくいです。
「次の提案で、顧客の課題に沿った構成に直す」と置くと、商談前の確認や資料の見直しに移りやすくなります。
短期目標は、完璧な計画でなくてかまいません。
次に確認する課題が見える大きさまで近づけることが大切です。
時間で分解すると今日の行動が見えてくる
長期・中期・短期に分けると、今すぐ取り組むことと、後で扱えばよいことが分かれます。
すべての課題を同時に解決しようとすると、どれも大事に見えてしまいます。
けれど、短期で目指す状態が決まると、今の段階で見るべき課題が絞られます。
図の例では、長期では偏差値70を目指しています。
ただし、短期ではまず偏差値60を目指すため、この段階では「この人の弱点」に合わせてやることを絞っています。
その結果、最初に優先するのは語彙力強化と読解演習になります。
一方で、文法は基礎があり、リスニングは平均レベルのため、今回は優先度を下げています。
時間で分ける目的は、細かいスケジュールを作ることだけではありません。
最終目標に向かう途中で、今どの段階にいるのかを確認し、今日の行動を選びやすくするためです。
【4】STEP3:ゴールから逆算して課題を分解する

短期目標が見えたら、次はその目標を構成している課題を分けます。
たとえば、図の例では「3か月で英語の偏差値を60にする」という短期目標を置いています。
ただ、このままではまだ行動に移しにくいです。
単語を増やすのか、文法を復習するのか、長文読解を練習するのか。
課題がどこにあるかによって、選ぶ行動は変わります。
ここでは、目標と今の状態を見比べながら、どこでつまずいているのかを分けていきます。
英語なら、単語なのか、文法なのか、長文なのか。
課題を分けることで、次に選ぶ行動も変わります。
ゴール達成に必要な要素を洗い出す
目標を決めても、課題を分けないまま行動すると、やることが大ざっぱになりやすくなります。
「英語の偏差値を上げる」と考えて、勉強時間を増やす。
それ自体は悪くありません。
ただ、何を改善するための時間なのかが曖昧なままだと、成果にはつながりにくくなります。
英語の課題は、たとえば次のように分けられます。
・語彙力
・文法理解
・読解力
・リスニング
・解答スピード
図の例では、この中で語彙力と読解力が弱点として見えています。
一方で、文法は基礎があり、リスニングは平均レベルです。
同じ「英語を伸ばす」でも、どこが弱いかによって、先に取り組むことは変わります。
仕事でも同じです。
「提案力を上げる」と言っても、課題は1つとは限りません。
・顧客理解が浅い
・提案内容が相手の課題と合っていない
・資料の構成が伝わりにくい
・判断材料が足りない
まずは目標をいくつかの要素に分けて、どこに課題がありそうかを見えるようにします。
目標と現状の差分を確認する
課題を分けるときは、目標と現状の差を確認します。
差分とは、「目指す状態」と「今の状態」の間にある開きです。
目標だけを見ても、現状だけを見ても、何を優先すべきかは判断しにくくなります。
たとえば、目標が「英語の偏差値を60にする」だとしても、現状によって見るべき課題は変わります。
語彙力が足りない人もいれば、文法で失点している人もいます。
読む速度が遅い人もいれば、設問の意図を読み違えている人もいます。
図の例では、現状を次のように見ています。
・語彙力:弱点
・読解力:弱点
・文法:基礎あり
・リスニング:平均レベル
・スピード:やや遅い
このように並べると、最初に大きく時間を使うべき場所が見えやすくなります。
ただし、弱点を見つけたからといって、すぐに全部を直そうとする必要はありません。
ここではまず、目標との差がどこにあるのかを確認します。
そのうえで、後のステップで仮説や優先順位につなげます。
ロジックツリーで課題を構造的に分解する
課題を分けるときは、ロジックツリーのように、大きな要素から小さな要素へ分けて考えると進めやすくなります。
たとえば「英語の偏差値を上げる」という課題なら、次のように分けられます。
・語彙力
・文法理解
・読解スピード
・設問対応
・復習の精度
さらに「読解スピード」が課題だと感じるなら、もう一段分けます。
・単語で止まっている
・文構造を取るのに時間がかかる
・文章全体の流れをつかめない
・設問を読む時間が長い
ここまで分けると、「英語を頑張る」ではなく、どの部分を改善するべきかが見えやすくなります。
サイト運営でも、「問い合わせを増やす」という目標は次のように分けられます。
・アクセス数
・読者の検索意図との一致
・記事内の導線
・問い合わせページへの遷移
・問い合わせフォームの使いやすさ
大きな目標をそのまま扱うより、構成要素に分けたほうが、次に確認する課題を選びやすくなります。
課題分解ではモレと重複を確認する
課題を分けたら、モレと重複がないかを確認します。
モレがあると、本当は見直すべき課題を見落としてしまいます。
重複が多いと、同じ課題を別の言葉で何度も扱うことになり、優先順位がつけにくくなります。
たとえば、英語の課題を分けるときに「単語」と「語彙力」を別々に置くと、内容が重なりやすくなります。
一方で、読解や設問対応を入れていないと、点数が伸びない原因を見落とすかもしれません。
仕事でも、「資料が悪い」と「提案内容が伝わらない」は近い課題に見えます。
ただ、資料の見せ方が問題なのか、そもそもの提案内容が相手の課題と合っていないのかは分けて考える必要があります。
課題分解で大切なのは、きれいな図を作ることではありません。
見返したときに、「まずここから手をつけよう」と判断できる状態にすることです。
分解はやることを増やすためではなく絞るために使う
課題を分解すると、やることが増えたように感じることがあります。
単語も文法も読解も復習も必要。
ヒアリングも資料構成も提案内容も見直したい。
サイト運営なら、新規記事、既存記事、導線、フォームまで気になってくる。
分ければ分けるほど、全部やらなければいけないように見えるかもしれません。
ただ、分解の目的は、やることを増やすことではありません。
やるべきことを絞るために使います。
大きな目標のままでは、何が足りていないのかが見えません。
課題を分けることで、次のような判断がしやすくなります。
・目標に対して影響が大きい部分
・今の段階で先に見るべき部分
・後回しにしてよい部分
・維持だけでよい部分
図の例では、語彙力と読解力を先に見ることで、やることが「語彙力強化」と「読解演習」に絞られています。
分解は、「全部やるリスト」を作る作業ではありません。
【5】STEP4:原因の仮説を立てて施策を決める

課題を分解したら、次は「なぜその課題が起きているのか」を考えます。
弱点が見えた段階で、すぐにやることを増やしたくなるかもしれません。
ただ、原因の見立てがないまま施策を出すと、思いついた行動を並べるだけになりやすくなります。
ここでは、分解した課題に対して仮説を立て、目標との差分を埋める施策へつなげます。
課題の原因を仮説として言葉にする
仮説とは、「なぜ目標に届いていないのか」についての仮の答えです。
最初から正解を当てる必要はありません。
今見えている情報をもとに、原因らしきものを置いてみます。
図の例では、英語の弱点として語彙力と読解力が見えています。
そこから、次のような仮説を立てられます。
・語彙力が足りず、長文の内容を取り切れていないのではないか
・文章全体の流れをつかめず、読解で失点しているのではないか
・読むスピードが遅く、最後まで解き切れていないのではないか
仕事でも同じです。
提案が通らないなら、原因はいくつか考えられます。
・相手の課題を聞き切れていないのではないか
・提案内容が相手の優先順位と合っていないのではないか
・判断材料が足りず、相手が決めにくいのではないか
仮説を置くと、やることが「なんとなく良さそうな行動」ではなく、「この原因を確かめる行動」に変わります。
So What?で仮説を行動レベルまで深める
仮説を立てたら、「だから何を見直すのか」まで考えます。
表面上の課題だけを見ると、すぐに行動を決めたくなります。
しかし、見えている現象と、本当に手をつけるべき課題が同じとは限りません。
たとえば、長文読解で点数が取れないとします。
このとき、すぐに「長文問題をたくさん解く」と決めることもできます。
ただ、もう一段見ると、原因はいくつかに分かれます。
・単語の意味がわからず読み進められない
・文構造を取るのに時間がかかっている
・文章全体の流れをつかめていない
・設問の意図を読み違えている
同じ「長文が苦手」でも、原因が違えば対策も変わります。
So What?は、「それは何を意味するのか」「だから何を見直すのか」と考えるための問いです。
原因を一段深く見ることで、施策を行動レベルまで近づけやすくなります。
仮説が変わると選ぶ施策も変わる
仮説が変わると、選ぶ施策も変わります。
たとえば「長文で失点している原因は、語彙不足ではないか」と考えるなら、施策は語彙力の強化に寄ります。
・頻出単語を毎日復習する
・長文で出た未知語を記録する
・覚えた単語が読解で使えているか確認する
一方で、「文構造を取るのに時間がかかっているのではないか」と考えるなら、施策は変わります。
・短い英文で文構造を確認する
・間違えた文を品詞や構造で見直す
・読む前に文の骨組みを取る練習をする
図の例では、弱点として語彙力と読解力が見えているため、施策は「語彙力強化」と「読解演習」に寄せています。
サイト運営でも同じです。
問い合わせが少ない原因を「記事数が足りない」と見るなら、新規記事を増やす施策になります。
一方で、「読まれているのに問い合わせ導線が弱い」と見るなら、記事内リンクや問い合わせページへの流れを見直す施策になります。
仮説が違えば、同じ目標でもやることは変わります。
仮説なしの施策は思いつきになりやすい
課題が見えると、すぐに施策を出したくなります。
英語なら、単語帳をやる、長文を解く、文法を復習する、音読する。
仕事なら、資料を直す、商談数を増やす、提案書を作り直す。
どれも悪い施策ではありません。
ただ、何の原因に対する施策なのかが曖昧なままだと、実行しても手応えを判断しにくくなります。
施策を出す前に、次の順番で考えるとずれにくくなります。
・目標は何か
・現状との差分はどこにあるか
・その差分はなぜ起きているのか
・その原因を埋めるには何をするか
この順番で見ると、「とりあえず単語帳をやる」「とりあえず資料を直す」といった動きに流れにくくなります。
何を変えるための行動なのかが見えるため、実行したあとも振り返りやすくなります。
施策は目標との差分を埋める行動にする
施策を出すときは、目標との差分を埋める行動になっているかを確認します。
手を動かしやすいから、慣れているから、気分的に始めやすいからという理由だけで選ぶと、目標に近づかない作業に時間を使ってしまうことがあります。
図の例では、短期目標が「3か月で偏差値60にする」です。
現状を見ると、語彙力と読解力に弱点があります。
そのため、最初の施策は次のように絞られます。
・毎日100語の復習
・長文を週3題解く
・長文で出た未知語を記録する
・読解の復習で、なぜ間違えたかを確認する
得意な分野をさらに伸ばすことや、見た目のきれいなノートを作ることは、今の目標に対して優先度が高いとは限りません。
仕事でも、成果に影響しているのがヒアリング不足なら、資料の装飾に時間をかけるより、相手の課題を聞き出す準備をしたほうがよい場合があります。
施策は、行動量を増やすために出すものではありません。
目標と現状の差を埋めるために出すものです。
【6】STEP5:優先順位を決めて今やることを絞る
施策を出したら、最後に「どれから実行するか」を決めます。
ここで全部を同時にやろうとすると、結局どれも中途半端になりやすくなります。
やることが複数あると、得意なことや簡単なことに流れがちです。
だからこそ、ゴールに近づく順番で、今やることを絞ります。
優先順位はゴールに近づく順番として決める
やることを並べるだけだと、どれも大事に見えてきます。
そこで必要になるのが、どこに一番力を使うかを決めることです。
この記事でいう優先順位は、作業の順番というより、努力の投下先を決めるためのものです。
たとえば、図の例では、英語の偏差値を70にすることが長期目標です。
短期では、まず3か月で偏差値60を目指しています。
このとき、現状の弱点が語彙力と読解力にあるなら、最初に力を使うのはそこです。
得意な部分を伸ばすことや、見た目のきれいなノートを作ることは、今の目標に対して優先度が高いとは限りません。
優先順位は、好きな順、得意な順、簡単な順ではなく、ゴールに近づく順番として考えます。
緊急度と重要度で基本の優先順位を確認する
優先順位を考えるときは、まず緊急度と重要度で見ます。
緊急度:すぐに対応しないと影響が出るか
重要度:目標達成への影響が大きいか
緊急度が高いものは、放置するとすぐ問題になります。
一方で、重要度が高いものは、すぐに困らなくても、後回しにすると目標達成が遅れやすくなります。
たとえば、明日の提出物は緊急度が高い作業です。
一方で、語彙力の強化や顧客理解の改善は、すぐに終わる作業ではありません。
しかし、目標に対する影響が大きいなら、日々の時間を確保して進める必要があります。
緊急な作業だけで1日が埋まると、長期目標に効く行動が後回しになります。
まずは、目の前の作業が「急ぎなのか」「目標に効くのか」を分けて見ると、実行順を決めやすくなります。
差分・伸ばしやすさ・影響度で実行順を決める
緊急度と重要度を確認したら、次に3つの視点で実行順を決めます。
・目標との差分が大きいか
・今の段階で伸ばしやすいか
・全体への影響が大きいか
まず見るのは、目標との差分です。
目標から大きく離れている部分は、放置すると全体の達成を妨げやすくなります。
次に、今の段階で伸ばしやすいかを見ます。
差分が大きくても、すぐに成果が出にくい課題もあります。
反対に、少し整えるだけで改善しやすい部分があるなら、先に手をつける価値があります。
最後に、全体への影響度を見ます。
その課題を改善することで、他の行動や成果にもよい影響が出るなら、優先度は高くなります。
図の例では、語彙力の不足が読解力や解答スピードにも影響しています。
この場合、語彙力の強化は英語全体に効きやすい施策です。
仕事でも、ヒアリングの質が上がれば、提案内容、資料構成、商談の進め方まで変わることがあります。
その場合は、資料の見た目を整えるよりも、先にヒアリングを見直すほうが成果に近づきやすくなります。
今やること・後でやること・維持すること・やらないことを分ける
優先順位を決めるときは、施策を4つに分けると判断しやすくなります。
・今やること
・後でやること
・維持すること
・今はやらないこと
「今やること」は、目標との差分が大きく、短期目標にもつながりやすい行動です。
ここに時間と力を集中させます。
「後でやること」は、必要ではあるものの、今すぐ取り組まなくてもよい行動です。
長期的には必要でも、短期目標との関係が薄いものはここに置きます。
「維持すること」は、すでに一定の状態にあるものを落とさないための行動です。
図の例なら、文法は基礎があり、リスニングは平均レベルです。
この場合、必要以上に時間をかけるのではなく、状態を落とさない程度に扱う判断もあります。
「今はやらないこと」は、目標への影響が小さい行動や、今の段階では優先しなくてよい行動です。
やらないと決めることで、今やるべき施策に時間を残せます。
優先順位を決めるとは、単に1位、2位、3位をつけることではありません。
限られた時間の中で、何に集中し、何を後回しにし、何を維持し、何を手放すかを決めることです。
逆算した計画はプレッシャーにせず、実行しながら見直す
優先順位は、一度決めたら終わりではありません。
実行してみると、最初に立てた仮説が違っていたり、思ったより効果が出なかったりすることがあります。
反対に、少し取り組んだだけで、大きく改善する課題が見つかることもあります。
その場合は、計画を見直してかまいません。
目標達成では、最初から完璧な順番を決めることよりも、実行しながら調整することのほうが現実的です。
仮説を立てる。
施策を実行する。
結果を見る。
次の優先順位を調整する。
この繰り返しで、行動は少しずつ目標に近づいていきます。
ゴール逆算5ステップは、最初に作った計画を守り続けるためのものではありません。
目標に対して、今どこに力を使うべきかを見直すために使います。
ゴール逆算5ステップのテンプレート
この記事の内容を実際に書き出せるように、ゴール逆算5ステップのテンプレートを用意しました。
スプレッドシートを開き、コピーして使ってください。
まとめ:目標達成は、やることを増やすより力の使いどころを決めること
頑張っているのに成果が出ないときは、行動量を増やす前に、今の力の使いどころを見直してみる必要があります。
机に向かう時間を増やす。資料を整える。記事を増やす。
どれも行動ではありますが、それが目標に近い場所の作業とは限りません。
この記事で扱った「ゴール逆算5ステップ」は、目標に対して今どこに力を使うべきかを決めるための考え方です。
・STEP1:課題・目標を決める
・STEP2:長期・中期・短期に分解する
・STEP3:ゴールから逆算して、さらに課題を分ける
・STEP4:仮説を立てて、施策を出す
・STEP5:優先順位を決める
この流れで見ると、目標、時間軸、課題、仮説、施策、優先順位がつながります。
分解は、やることを増やすためではありません。
目標との差分を見つけ、今やることを絞るために使います。
たとえば、英語の偏差値を上げたい場合でも、単語、文法、読解、リスニング、解答スピードのどこに課題があるかで、最初にやることは変わります。
仕事でも同じです。
成果が出ない原因がヒアリング不足にあるなら、資料の見た目を整えるより、相手の課題を聞き出す準備に力を使ったほうがよい場合があります。
優先順位を決めるとは、好きな順、得意な順、簡単な順に進めることではありません。
限られた時間の中で、何に集中し、何を後回しにし、何を維持し、何を今はやらないかを決めることです。
計画は、一度決めたら終わりではありません。
実行してみて違うと感じたら、仮説や施策、優先順位を見直してかまいません。
目標達成は、完璧な計画を作ることではなく、目標に向かって力の使いどころを調整し続けることです。
編集後記
仕事をしている中で、「頑張っているのに成果が出ない」という人に出会うことが何度もありました。
本人は真面目に動いています。
時間も使っているし、手も止まっていない。
それでも成果につながらないのは、努力が足りないからではなく、力を使う場所が少し違っているからでした。
そういう人に、目標から逆算して、今やることを絞る方法を伝えると、動き方がかなり変わることがありました。
やることを増やすのではなく、まず何を見て、どこに力を使うかを決める。
それだけで、迷いが減り、行動の優先順位もはっきりしていきます。
この記事を書いたのは、その変化を何度も見てきたからです。
頑張り方を否定したいわけではありません。
むしろ、せっかく頑張っているなら、その力がちゃんと成果に近い場所へ向かってほしい。
そんな気持ちで、今回のゴール逆算5ステップをまとめました。
参照・参考サイト
GLOBIS 学び放題×知見録・成功する目標設定5つのポイント「SMARTの法則」とは?
https://globis.jp/article/659/
グロービス経営大学院・ロジック・ツリー
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-12056.html
グロービス経営大学院・MECE
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11654.html
グロービス経営大学院・So what?
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11682.html
GLOBIS 学び放題×知見録・仮説思考とは?メリットや使い方を解説
https://globis.jp/article/5766/
Asana・アイゼンハワーマトリクスの領域と実践時のコツを解説
https://asana.com/ja/resources/eisenhower-matrix


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