KPI未達時のチェック方法|改善につながらない原因と次の打ち手

A02-04_MV 現状把握
KPI未達時のチェック方法

KPI改善チェックとは、設定したKPIの結果を見て、目標値との差分や変化の原因を確認し、次に取る行動を判断する作業です。問い合わせ数、SEO流入、CVR、広告成果、フォーム完了率などは、数字が増えたか減ったかを見るだけでは改善に進みません。未達、悪化、停滞が起きたときに、計測に問題はないか、どの要素が変わったのか、施策は予定どおり実行されたのかを順番に見ていく必要があります。

管理表やレポートにKPIをまとめていても、会議で「なぜ変わったのか」「次に何をするのか」が決まらないことはあります。数字は見ているのに、判断が止まってしまう状態です。反対に、確認する順番と判断基準があらかじめ決まっていれば、未達が出てもすぐに施策失敗と決めつけず、原因確認や改善アクション、KPIの見直しへ進めやすくなります。

この記事では、KPI改善チェックの考え方、未達時に見る順番、数値変化の分解方法、改善判断に使うチェックリスト、KPIを続けるか見直すかの基準を解説します。KPIを「報告する数字」で終わらせず、次の行動を決めるために使いたい方は参考にしてください。

【1】KPI改善チェックとは何か

KPI改善チェックとは、設定したKPIの進捗を見ながら、改善に向けて何を判断するかを決める作業です。

KPIの数値が目標に届いているかどうかを見るだけでは、次の行動は決まりません。目標値との差分、前回からの変化、変化が起きた背景、対応すべき内容まで見てはじめて、KPIを改善判断に使えるようになります。

この章では、KPI改善チェックの意味、KPI設定・KPI管理との違い、チェック前にそろえておきたい前提を確認します。

KPI改善チェックは改善判断のために行う

KPI改善チェックは、数値の上下を確認する作業ではなく、改善判断のために行う作業です。

問い合わせ数が目標を下回っていると、つい「施策がうまくいかなかった」と見たくなるかもしれません。ただ、実際には流入数が減ったのか、CVRが下がったのか、フォーム到達後の離脱が増えたのかによって、変わってきます。

KPI改善チェックで扱う判断は、主に次のようなものです。

・現在のKPIは目標に対して順調か
・未達や悪化が起きている場合、どこに原因がありそうか
・次に確認すべきデータは何か
・改善アクションを実行するべきか、経過を見るべきか
・KPIそのものを見直す必要があるか

KPIを見ているのに次の行動が決まらない場合、その数字は報告用の数字に近くなります。数字を見たあとに「何を判断するか」まで決めておくと、KPIは改善のための材料として扱いやすくなります。

KPI設定・KPI管理・KPI改善チェックの違い

KPI設定、KPI管理、KPI改善チェックは似ていますが、それぞれ役割が異なります。混同すると、「指標は決めたのに改善に使えない」「管理表はあるのに判断が進まない」という状態になりやすくなります。

項目役割主な確認内容
KPI設定目標達成に必要な指標を決めるどの指標を追うか、目標値をどう置くか
KPI管理決めたKPIを継続的に記録する実績値、進捗、確認頻度、担当範囲
KPI改善チェック数値をもとに次の判断を行う差分、原因、対応、見直しの必要性

KPI設定は、KGI(事業目標)やKSF(成功の鍵)から追うべき指標を決める工程です。KPI管理は、設定したKPIを定期的に確認できるように記録し続ける工程です。

一方で、KPI改善チェックでは、記録された数字を見て「このまま続けるのか」「原因を深掘りするのか」「施策を変えるのか」を判断します。

指標を決めるのがKPI設定。数字を追える状態にするのがKPI管理。そして、数字を見て次の判断につなげるのがKPI改善チェックです。

【関連記事|A02】KPIツリーで事業の全体構造を可視化する方法

【深掘り記事|A02-03】KPI設定を精度高く行うためのステップ設計

KPIチェック前に指標定義と集計方法を確認する

同じKPI名を使っていても、集計条件が違えば数字は変わります。この前提がそろっていないまま比較すると、実際には悪化していないのに、問題が起きたように見えることがあります。

たとえば「CV数」と言っても、問い合わせ完了だけを含めるのか、資料請求や会員登録も含めるのかで数値は変わります。SEO流入も、自然検索全体を見るのか、特定のページ群だけを見るのかで判断が変わります。

チェック前にそろえておきたい項目は、次のとおりです。

・KPI名
・KPIの定義
・集計対象
・集計期間
・使用するツール
・目標値
・確認頻度
・担当範囲

GA4、Search Console、広告管理画面、管理表で同じ名称の指標を見ていても、定義が違えば数値は一致しません。前提がそろわないままKPIを比べると、施策の良し悪しではなく、集計条件の違いを見て判断してしまうことがあります。

最初に確認したいのは、「何を、どの条件で、どの期間と比べるのか」です。ここがそろうと、その後の原因確認も進めやすくなります。

KPI改善チェックは目標との差分から始める

KPI改善チェックでは、まず目標値と実績値の差分を見ます。

ここで見るのは、達成か未達かだけではありません。どの程度足りないのか、前回から変化しているのか、想定していた範囲内なのかまで確認します。

差分を見るときの観点は、次のとおりです。

・目標値に対して実績値はどの位置にあるか
・前回、前月、前年などの比較対象からどう変化したか
・変化幅は判断が必要な大きさか
・未達や悪化が一時的なものか、継続しているものか
・次に原因確認へ進むべきか

問い合わせ数が目標に届いていない場合でも、前月より改善しているのか、数か月連続で悪化しているのかで見方は変わります。CVRが少し下がった場合も、母数が少ない期間であれば、すぐに施策変更を決めるより、次回確認日を決めて推移を見るほうが合っていることもあります。

差分を見るのは、数字の良し悪しを一度で決めるためではありません。原因確認へ進むのか、改善アクションを検討するのか、いったん経過を見るのか。次の判断を分けるために使います。

【2】KPI未達時に確認する順番

KPIが未達だったとき、いきなり施策内容や担当者の動きだけを見ると、原因を切り分けにくくなります。数字が落ちた理由が、施策の問題なのか、計測の問題なのか、外部要因なのかが混ざってしまうためです。

未達が出たら、まず数値が正しく取れているかを見ます。そのうえで、目標との差分、変化の続き方、事前に決めていた対応条件、原因の大きな分類を順番に確認していきます。

この章では、KPI未達や悪化が起きたときに、どの順番で見れば次の判断につなげやすいかを確認します。

KPI未達時は計測異常と代替KPIを確認する

KPIが急に落ちたときほど、施策の失敗に見えやすいものです。けれど最初に見るべきなのは、数字が正しく取れているかどうかです。

実績値が大きく下がっていても、タグの不具合、計測条件の変更、ツール側の集計遅延、フォーム改修によるイベント設定の変更などがあれば、実際の成果悪化ではなく、計測上の問題として数値が変わっている可能性があります。

最初に見るポイントは、次のとおりです。

・前回と同じ定義で集計されているか
・計測タグやイベント設定に変更がないか
・使用ツールや管理画面の数値に大きな差がないか
・集計期間や対象ページが変わっていないか
・関連する代替KPIや中間KPIも同じように悪化しているか

問い合わせ完了数が急に減ったとします。このとき、GA4のコンバージョン数だけで判断するのは少し危険です。フォーム送信ログ、CRMの登録件数、広告管理画面のCV数などもあわせて見ると、実際に成果が落ちたのか、計測側で何か起きたのかを判断しやすくなります。

複数の関連指標が同じ方向に動いていれば、実際の悪化として見る根拠が強くなります。反対に、特定のツールだけ数値が落ちているなら、まず計測条件を疑います。

【関連記事|B01】GA4で“何を見るべきか”を構造から理解する分析フレーム

KPI未達の大きさと優先度を確認する

計測異常がなさそうであれば、次は未達の大きさを見ます。

すべての未達を同じ重さで扱うと、どこから手をつけるべきかがわかりにくくなります。目標との差分が小さい未達と、売上や問い合わせ数に影響する大きな未達では、確認にかける時間も対応の優先度も変わります。

優先度を見るときは、次の観点で確認します。

・目標値に対してどの程度不足しているか
・前回や前月と比べて悪化しているか
・未達が一時的なものか、継続しているものか
・KGIや売上、問い合わせ数など上位目標への影響が大きいか
・他のKPIにも影響が広がっているか

SEO流入が少し下がっていても、問い合わせ数が維持できている場合は、すぐに大きな施策変更をしない判断もあります。一方で、問い合わせ数まで大きく落ちているなら、早めに原因を確認したほうがよいでしょう。

未達を見つけたら、まず対応する順番を決めます。すべてを同じ重さで見ると、手をつける場所がぼやけます。

KPIの変化をすぐ判断しない基準を持つ

KPIの数値が動いたからといって、毎回すぐに成功・失敗を判断する必要はありません。

特に、母数が少ないKPI、短期間で変動しやすいKPI、季節性の影響を受けるKPIは、1回の確認だけで判断すると、かえって対応を誤ることがあります。

すぐに判断しないほうがよいケースは、次のとおりです。

・集計期間が短く、サンプル数が少ない
・前回からの変化幅が小さい
・曜日、祝日、月末月初などの影響を受けている
・施策実行から十分な期間が経っていない
・過去にも同じ程度の変動が起きている

たとえば、フォーム完了率が1週間だけ下がっていても、流入数が少ない期間であれば、すぐにフォーム改善を決めるより、次回確認日を決めて推移を見るほうが合っていることがあります。

ただし、判断を保留することと、放置することは違います。「いつまで見るのか」「どの水準を下回ったら対応するのか」を決めておくと、様子見のまま止まりにくくなります。

KPI未達時はリカバリープランと照合する

KPI未達が出たときに毎回ゼロから対応を考えると、判断が遅れやすくなります。その場の印象で施策を増やしたり、逆に様子見が長くなったりすることもあります。

そこで使うのが、事前に決めておいたリカバリープランです。リカバリープランとは、KPIが一定の水準を下回ったときに、どの対応を行うかをあらかじめ決めておくものです。

照合する項目は、次のとおりです。

・どの水準を下回ったら対応するのか
・どのKPIが悪化したら優先的に見るのか
・誰が原因確認を行うのか
・どの施策を追加、停止、修正するのか
・次回いつ確認するのか

広告経由の問い合わせ数が一定水準を下回った場合に、配信面、キーワード、LP、フォーム到達率を確認すると決めておけば、未達時の初動が早くなります。

未達が出てから慌てて考えるのではなく、決めていた条件と照らし合わせる。これだけでも、対応のぶれを減らせます。

KPI未達の原因を3つに分けて見る

計測異常、優先度、判断保留の基準を確認したら、未達の原因を大きく分けて見ます。

原因を細かく探そうとすると、確認項目は一気に増えます。最初から細部に入るより、まずは大きな分類で見たほうが、どこから確認するかを決めやすくなります。

KPI未達の主な原因は、次の3つに分けられます。

・計測や集計条件の問題
・外部環境や流入状況の変化
・施策内容やページ内行動の変化

計測や集計条件の問題は、そもそもの数値の前提に関わります。外部環境や流入状況の変化には、検索順位、広告配信、季節性、競合状況などが含まれます。施策内容やページ内行動の変化では、LP、導線、フォーム、コンテンツ、広告文などを見ます。

この段階で、原因をひとつに決めきる必要はありません。まずは、どの分類に原因がありそうか、あたりをつけます。そのうえで、分母・分子、流入経路、ページ、デバイスなどに分けて確認していきます。

【3】KPIの変化を分解して原因を探る方法

KPI未達や悪化の原因を探るときは、最終的な数値だけを見て判断しないことが大切です。

問い合わせ数、CV数、SEO流入、フォーム完了率などのKPIは、ひとつの要素だけで動くとは限りません。流入数、クリック率、CVR、ページ遷移、フォーム完了など、いくつかの数字が重なって変化します。

そのため、KPIが動いたときは、分母・分子、流入経路、ページ、デバイス、施策実行状況に分けて見ます。どこで変化が起きたのかがわかると、次に確認すべき場所も絞りやすくなります。

KPIの変化は分母と分子に分けて見る

KPIの変化を見るときは、まず分母と分子に分けます。

たとえば、CVRが下がっている場合でも、コンバージョン数だけを見ていると原因を判断しにくくなります。流入数が増えた一方でCV数が横ばいなのか、流入数は変わらずCV数だけが減ったのかによって、見るべき場所は変わります。

分母と分子に分けると、次のように確認できます。

・問い合わせ数が減った場合、流入数が減ったのか、CVRが下がったのか
・CVRが下がった場合、フォーム到達数が減ったのか、フォーム完了数が減ったのか
・広告成果が悪化した場合、クリック数が減ったのか、クリック後のCVが減ったのか
・SEO流入が減った場合、表示回数が減ったのか、クリック率が下がったのか

流入数は変わっていないのに問い合わせ数が減っているなら、LP、導線、フォーム、訴求内容などを確認します。一方で、問い合わせ率は維持できているのに流入数が減っているなら、検索順位、広告配信量、表示回数などを見る必要があります。

分母が変わったのか、分子が変わったのか。ここを分けるだけでも、原因を探す順番はかなり決めやすくなります。

流入経路ごとにKPIの変化を確認する

全体の問い合わせ数が減っていても、すべての流入経路が同じように悪化しているとは限りません。

自然検索だけが下がっている場合もあれば、広告経由のCVだけが減っている場合もあります。流入経路ごとに分けて見ると、原因がサイト全体にあるのか、特定のチャネルにあるのかを判断しやすくなります。

確認する流入経路の例は、次のとおりです。

・自然検索
・広告
・SNS
・メール
・参照元サイト
・直接流入

自然検索からの問い合わせだけが減っている場合は、検索順位、表示回数、クリック率、流入ページの変化を確認します。広告経由だけが悪化している場合は、配信設定、キーワード、広告文、LP、予算配分などを見ることになります。

一方で、複数の流入経路が同時に悪化しているなら、サイト全体の導線、フォーム、商品・サービスの訴求、外部環境など、もう少し広い範囲を見たほうがよいでしょう。

流入経路ごとの確認では、「どこから来たユーザーの成果が変わったのか」を見ます。改善アクションを全体に広げるのか、特定チャネルに絞るのかを決めるためです。

ページ別にKPIの変化を確認する

流入経路を見たあとは、ページ別の変化を確認します。

問い合わせ数やCV数が減っていても、すべてのページで同じように成果が落ちているとは限りません。特定のLP、サービスページ、記事ページ、フォーム導線のあるページだけで変化が起きていることもあります。

ページ別に見るときは、次の点を確認します。

・流入が減っているページはどこか
・CVが減っているページはどこか
・直帰や離脱が増えているページはどこか
・フォームや問い合わせ導線への遷移が減っているページはどこか
・直近で更新、改修、削除したページはあるか

SEO流入全体が減っているように見えても、実際には一部の記事ページだけが大きく下がっている場合があります。問い合わせ数が減っている場合も、サービスページの流入は変わらず、フォームへの遷移率だけが下がっていることがあります。

ページ別に見ると、改善対象を具体的にできます。サイト全体を漠然と見直すより、どのページのどの変化を見るのかを絞ったほうが、次の対応を決めやすくなります。

デバイスやユーザー条件ごとに変化を確認する

全体の数字では小さな変化に見えても、条件を分けると大きく悪化している箇所が見つかることがあります。

たとえば、スマートフォンだけでCVRが下がっている、特定の地域だけで問い合わせが減っている、新規ユーザーだけが悪化しているといったケースです。平均値だけを見ていると、こうした変化に気づきにくくなります。

確認する切り口は、次のとおりです。

・PC、スマートフォン、タブレット
・新規ユーザー、リピーター
・地域
・流入元
・キャンペーン
・検索語句や広告グループ

スマートフォンだけフォーム完了率が下がっている場合は、フォームの表示崩れ、入力項目、読み込み速度、ボタンの押しやすさなどを確認します。PCでは問題がなく、スマートフォンだけで悪化しているなら、施策全体ではなくモバイルでの使いにくさが影響している可能性があります。

ユーザー条件ごとに分けると、KPIの悪化がどこで起きているのかを具体的に見られます。全体平均だけで判断しないことが、確認漏れを減らすポイントです。

施策実行状況とKPIの変化を照合する

KPIの変化を見るときは、施策の実行状況もあわせて確認します。

数値だけを追っていると、なぜ変わったのかが見えにくくなります。どの施策を、いつ、どの範囲で実行したのかを確認すると、KPIの変化と施策の関係を見やすくなります。

照合したい項目は、次のとおりです。

・施策は予定どおり実行されたか
・実行日とKPIの変化時期は合っているか
・施策対象のページや流入経路で変化が出ているか
・施策以外に、同時期の変更や外部要因はあるか
・想定していた中間指標は動いているか

LPの改善施策を行ったあとに問い合わせ数が増えたとしても、同じ時期に広告予算を増やしていれば、LP改善だけの効果とは言い切れません。反対に、施策を実行したページでは変化がなく、別のページで成果が動いている場合は、施策との関係を慎重に見たほうがよいです。

KPIの変化と施策実行状況を照らし合わせると、改善アクションの評価もしやすくなります。施策が効いたのか、別の要因で動いたのか、まだ判断するには期間が短いのか。そこを分けて考えます。

【4】KPI改善チェックで使うチェックリスト

KPIの変化を分解したら、次は改善判断に必要な項目を確認します。

KPI改善チェックでは、数値の良し悪しだけを見ても判断が止まりやすくなります。目標との差分、先行指標と遅行指標の違い、原因の見立て、施策の実行状況、次に取る行動まで並べて見ることで、会議やレポートでも対応方針を決めやすくなります。

この章では、KPI改善チェックで確認したい項目を、実務で使いやすい形にまとめます。

KPIの結果と目標との差分を確認する

最初に見るのは、KPIの結果と目標値との差分です。

ただし、ここで見るのは達成か未達かだけではありません。目標に対してどの程度足りないのか、前回から改善しているのか、悪化しているのか、想定していた範囲内の変化なのかを確認します。

差分を見るときは、次の項目を確認します。

・KPIの実績値
・目標値との差分
・達成率
・前回、前月、前年との比較
・変化幅
・未達や悪化が続いている期間

問い合わせ数が目標に届いていない場合でも、前月より改善しているなら、すぐに施策を変えず、現在の施策を続けながら確認する判断もあります。一方で、数か月連続で悪化している場合は、原因確認や改善アクションを優先したほうがよいでしょう。

KPIの結果は、単発の数字だけで見ると判断しにくくなります。目標との差分と推移をあわせて見ることで、次に動くべきか、もう少し経過を見るべきかを分けやすくなります。

先行指標と遅行指標を分けて確認する

KPIを見るときは、結果として表れる数字だけでなく、その前に動く数字もあわせて確認します。

問い合わせ数、受注数、売上、CV数などは、成果が出たあとに確認できる指標です。もちろん欠かせない数字ですが、変化が表れた時点では、すでに改善のタイミングが遅れていることもあります。

そこで見ておきたいのが、先行指標です。先行指標は、最終的な成果よりも前に変化が出やすい数字です。クリック率、フォーム到達率、LP到達率、商談前の反応などを見ておくと、成果が落ちる前に違和感をつかみやすくなります。

項目先行指標遅行指標
意味結果より前に動く指標結果として表れる指標
役割早めに変化をつかみ、対応を考えるために見る最終的な成果を確認するために見る
特徴改善アクションにつなげやすい成果確認には向くが、変化が見えるまで時間がかかる
クリック率、LP到達率、フォーム到達率、商談前の反応問い合わせ数、CV数、受注数、売上
見る場面日次・週次の改善判断月次・四半期の成果確認

問い合わせ数だけを見ていると、成果が落ちてから原因を探すことになります。けれど、フォーム到達率やクリック率も見ていれば、「問い合わせ数はまだ落ちていないが、手前の数字が下がっている」と早めに気づける場合があります。

KPI改善チェックでは、遅行指標だけで判断せず、先行指標もあわせて見ます。結果が出てから慌てて動くのではなく、変化の手前で確認できる数字を持っておくと、次の対応を決めやすくなります。

KPIの変化に影響した要因を確認する

KPIの結果を見たあとは、数値の変化に関係していそうな要因を確認します。

KPIが未達だったとしても、原因がひとつとは限りません。流入数の変化、CVRの変化、広告配信の変更、ページ改修、外部環境など、いくつかの要因が重なっていることがあります。

要因を見るときは、次の項目を確認します。

・どの指標が大きく変化したか
・どの流入経路で変化が起きたか
・どのページや導線で変化が起きたか
・直近で実行した施策や変更はあるか
・季節性、競合、検索順位、広告配信など外部要因はあるか

この段階では、原因をひとつに決めきらなくてもかまいません。まずは、KPIの変化に関係していそうな要因を洗い出します。そのうえで、母数の大きなものから流れに沿って、どのデータを見るかを決めていきます。

SEO流入が減っているなら、検索順位、表示回数、クリック率、流入ページの変化を確認します。CVRが下がっているなら、LP、フォーム、訴求内容、ユーザー条件などを見ます。

要因確認で見るのは、「何が変わったからKPIが動いた可能性があるのか」です。ここが見えてくると、次の確認や改善アクションを選びやすくなります。

KPIの変化から原因仮説とKSF仮説を見直す

KPIの変化を見たら、原因仮説とKSF仮説もあわせて確認します。

原因仮説とは、KPIが変化した理由についての仮説です。KSF仮説とは、KGI達成に大きく影響すると考えている成功要因についての仮説です。KPI改善チェックでは、今回の数値変化が、もともと想定していた成功要因と合っているかを見ます。

確認したい項目は、次のとおりです。

・想定していた要因でKPIが動いているか
・施策対象の指標に変化が出ているか
・想定していなかった指標が大きく変化していないか
・KGIに近い指標へ影響が出ているか
・原因仮説を追加、修正する必要があるか

フォーム改善によって問い合わせ数を増やす想定だったのに、フォーム到達数が増えていない場合は、フォームそのものよりも、フォームへ進む導線に原因があるかもしれません。SEO流入を増やす施策を行ったのに問い合わせ数が増えていない場合は、流入の質や遷移先ページとのつながりを見る必要があります。

ここで行うのは、KPIそのものを変える判断ではありません。今回の数値変化をもとに、原因の見立てや成功要因の見立てが合っているかを確認します。

【深掘り記事|C01-07】仮説を“再現性高く”設計するための思考プロセスと型

次に取る改善アクションを整理する

原因仮説まで見えたら、次に取る改善アクションを決めます。

KPI改善チェックで避けたいのは、確認した内容が「気づき」で止まることです。どの数字に対して、何を変えるのか。対象、内容、担当、期限、次回確認日まで決めておくと、実行後の検証もしやすくなります。

改善アクションを決めるときは、次の項目をそろえます。

・対応するKPI
・改善対象
・実行する施策
・担当者
・実行期限
・次回確認日
・判断に使う指標

スマートフォンのフォーム完了率が下がっている場合は、スマートフォン表示の確認、入力項目の見直し、エラー表示の確認などが改善アクションになります。自然検索からの流入が減っている場合は、対象ページの検索順位、表示回数、クリック率、タイトルや見出しの見直しなどを候補にできます。

改善アクションを決めるときは、KPIの変化と対応内容をつなげて考えます。どの数字を改善するための施策なのかが曖昧なままだと、実行後に効果を判断しにくくなります。

【5】KPIを続けるか見直すかの判断基準

KPI改善チェックを続けていると、「このKPIをこのまま追い続けてよいのか」と迷う場面が出てきます。

KPIは、一度設定したらずっと固定するものではありません。事業目標、施策内容、集客経路、サイト構成、担当範囲が変われば、見るべき数字も変わることがあります。

この章では、KPIを継続するか、目標値や確認頻度を調整するか、KPI自体を見直すかを判断する基準を確認します。

KPIを見ても次の行動が決まらない場合は見直す

KPIを見ているのに次の行動が決まらない場合、そのKPIは見直しの候補になります。

KPIは、改善判断に使うための指標です。数値を確認しても、原因確認や改善アクションにつながらない場合は、指標の粒度、担当範囲、KGIとのつながりが合っていない可能性があります。

見直しを検討したいのは、次のような状態です。

・数値が上下しても、何を確認すればよいかわからない
・未達が続いているのに、打ち手が毎回同じになる
・担当者が動かせない要因で数値が変わっている
・KGIへの影響が見えにくい
・会議で報告はされるが、次の対応が決まらない

サイト全体のCV数だけをKPIにしていると、SEO、広告、LP、フォーム、営業対応など、複数の要素が混ざります。そのため、数値が悪化しても、どこから確認すればよいか判断しにくくなることがあります。

この場合は、KPIを細かく分ける、担当範囲に合わせる、KGIに近い指標と中間指標を分けて見るなど、判断に使いやすい形へ見直します。

【深掘り記事|A02-02】KPI指標を選ぶための実務ガイド

担当者が動かせるKPIか確認する

KPIを見直すときは、その数字が担当者の行動で動かせるものかを確認します。

担当者が直接変えられないKPIだけを追っていると、未達時に具体的な対応を決めにくくなります。KPIは上位目標とのつながりだけでなく、担当者やチームがどこまで関与できるかも見ておきたい数字です。

確認したい観点は、次のとおりです。

・担当者が改善できる範囲に含まれているか
・施策実行によって数値が動く可能性があるか
・未達時に確認できる下位指標があるか
・他部署や外部要因の影響が大きすぎないか
・担当範囲と評価対象がずれていないか

SEO担当者に問い合わせ数だけをKPIとして置くと、流入後のLP、フォーム、営業対応の影響まで含まれます。その場合、SEO流入数、検索順位、表示回数、クリック率、SEO経由のCVRなど、担当者が確認しやすい指標もあわせて見る必要があります。

KPIは、担当者を責めるための数字ではありません。未達が出たときに、担当者やチームが次の行動を考えられる単位になっているかを確認します。

KPIとKGI・中間KPI・KAIのつながりを見直す

KPIを見直すときは、KGIとのつながりだけでなく、中間KPIやKAIとの関係も確認します。

KGIは最終的に達成したい目標、KPIはその達成状況を見るための指標です。ただ、KPIだけを見ていても、日々の改善行動まで落とし込みにくいことがあります。そこで、KPIの手前にある中間KPIや、実際の行動量を見るKAIもあわせて確認します。

KAIとは、Key Action Indicatorの略で、改善のための行動がどれだけ実行されているかを見る指標です。課題を見つけ、原因の仮説を立てたあとに、「では何を実行するのか」を数字で追うものだと考えるとわかりやすくなります。たとえば、記事更新数、改善施策の実行数、架電数、ABテスト実施数などが当てはまります。

項目役割
KGI最終的に達成したい目標売上、受注数、利益、問い合わせ獲得数
KPIKGI達成に向けて追う主要指標CV数、CVR、SEO経由の問い合わせ数、商談化率
中間KPIKPIの手前で変化を見る指標フォーム到達率、LP遷移率、クリック率、資料請求数
KAI課題に対する仮説にもとづき、実行する施策や行動量を見る指標記事更新数、改善施策の実行数、架電数、ABテスト実施数

KPIの数値が改善していても、KGIに近い成果が動いていない場合、そのKPIだけを追い続けてよいのかを考える必要があります。反対に、KPIは未達でも、中間KPIやKAIが改善している場合は、施策の効果がまだ最終成果に出ていない段階かもしれません。

確認する観点は、次のとおりです。

・KPIがKGI達成にどうつながっているか
・KPIの手前に確認すべき中間KPIがあるか
・KAIが実際の改善行動を表しているか
・KAIは動いているのに、中間KPIやKPIが動いていない状態はないか
・KPIは改善しているのに、KGIが動いていない状態はないか
・現在の施策方針とKPIの置き方が合っているか

記事流入数をKPIにしている場合でも、問い合わせにつながらない流入ばかり増えているなら、SEO流入数だけでは改善判断が足りません。その場合は、問い合わせにつながるページへの遷移、フォーム到達率、資料請求数など、中間KPIもあわせて見ます。

また、記事更新数や改善施策の実行数などのKAIが増えているのに、クリック率やフォーム到達率が変わらない場合は、行動量は足りていても、施策の内容や狙いが合っていない可能性があります。

ここで見るのは、今回の数値変化の細かな原因ではありません。KGI、KPI、中間KPI、KAIがつながっていて、日々の行動から最終成果まで追える形になっているかを確認します。

KPIの目標値と確認頻度を見直す

KPIが未達だからといって、すぐに指標そのものを変える必要はありません。

目標値が高すぎる、確認頻度が短すぎる、施策の効果が出るまでの期間と確認タイミングが合っていない。こうした場合は、KPIではなく、目標値や確認頻度を見直すほうが合っていることがあります。

見直すときは、次の点を確認します。

・目標値が現実的な水準か
・過去実績や施策規模と比べて無理がないか
・確認頻度が短すぎないか
・施策実行から効果確認までの期間が足りているか
・一時的な変動を過剰に判断していないか

SEO流入や検索順位は、施策を実行してすぐに変化が出るとは限りません。週次で細かく判断しすぎると、短期的な変動に振り回されることがあります。

一方で、広告費やフォーム不具合のように早く確認すべき指標は、月次だけでは対応が遅れることがあります。

KPIの目標値と確認頻度は、指標の性質や施策の反映スピードに合わせて調整します。未達が続く場合も、まずは目標値と確認頻度が判断に合っているかを見ます。

KPI見直し時に管理表で確認する項目

KPIを見直すときは、管理表に残している情報をもとに判断します。

数値だけを見てKPIを変えると、なぜ見直したのか、どの条件で判断したのかが後からわかりにくくなります。KPI管理表には、実績値だけでなく、目標値、差分、要因、対応、見直し理由を残しておくと、継続するか変更するかを判断しやすくなります。

管理表で見ておきたい項目は、次のとおりです。

・KPI名
・KPIの定義
・目標値
・実績値
・達成率
・確認頻度
・担当範囲
・未達や悪化が続いている期間
・実行した施策
・確認した要因
・次の対応
・見直し理由

問い合わせ数が未達だったとしても、SEO流入、広告CV、フォーム完了率のどこに変化があったのかを管理表に残していれば、KPIを変えるべきか、下位指標を追加するべきかを判断しやすくなります。

KPI見直しでは、感覚だけで指標を入れ替えないようにします。過去の進捗、改善アクション、確認結果を見ながら、続ける理由と見直す理由を分けて考えます。

【6】KPI改善チェックを次の行動につなげる

KPI改善チェックは、数値を確認して終わるものではありません。確認した結果を、次の改善アクションや会議での判断にどうつなげるかまで決めておく必要があります。

KPIが未達だった場合でも、原因の見立て、対応内容、担当者、期限、次回確認日が曖昧なままだと、次回のチェックでも同じ話を繰り返しやすくなります。数字は見ているのに、行動が変わらない状態です。

この章では、KPI改善チェックの結果を記録し、チームで扱い、次の行動につなげるための運用方法を確認します。

KPIチェックは結果・要因・対応を残す

KPIチェックでは、実績値だけでなく、結果、要因、対応をセットで残します。

管理表やレポートに数字だけが並んでいると、後から見返したときに「なぜその判断をしたのか」がわかりにくくなります。KPI改善チェックでは、数値がどう変わったのかに加えて、何を確認し、どの対応を選んだのかまで残しておきます。

記録しておきたい項目は、次のとおりです。

・確認日
・KPI名
・目標値
・実績値
・達成率
・前回からの変化
・確認した要因
・判断内容
・実行する対応
・担当者
・期限
・次回確認日

問い合わせ数が未達だった場合は、未達という結果だけで終わらせません。流入数、CVR、フォーム完了率など、どこを確認したのか背景がわかるように記載します。そのうえで、LPを見直すのか、フォームを確認するのか、いったん経過を見るのかを記録します。

KPIチェックの記録は、報告資料を残すためだけのものではありません。次回確認時に、前回の判断が合っていたか、決めた改善アクションが実行されたかを確認するために使います。

KPI改善チェックの会議では判断事項を明確にする

KPI改善チェックを会議で扱う場合は、報告する数字だけでなく、会議で決めることを先に明確にしておきます。

会議の目的が「数値の共有」だけになると、未達や悪化の原因確認が浅くなり、次の対応が決まらないまま終わりやすくなります。会議の最後に「結局、次は何をするのか」が残ってしまう状態です。

会議で確認したい判断事項は、次のとおりです。

・未達や悪化を深掘りする必要があるか
・どのKPIを優先して扱うか
・原因仮説は何か
・追加で確認するデータは何か
・改善アクションを実行するか
・経過を見る場合、次回いつ判断するか
・KPIや目標値を見直す必要があるか

SEO流入が減っている場合は、会議で「検索順位を確認する」「対象ページを特定する」「タイトル修正を行う」など、次の判断まで進めます。単に「SEO流入が下がった」と共有するだけでは、次回も同じ報告になりやすくなります。

KPI改善チェックの会議では、数字の説明に時間を使いすぎないようにします。数字を見たあとに、どの判断をするのか。そこまで決めておくと、会議の終わり方が変わります。

KPI未達をチームの改善課題として扱う

KPI未達は、担当者個人の責任追及ではなく、チームで扱う改善課題として見ます。

KPIの数値は、複数の施策や部署、外部環境の影響を受けます。未達が出たときに担当者だけの問題として扱うと、原因確認の範囲が狭くなり、必要な改善アクションに届きにくくなります。

チームで確認したい観点は、次のとおりです。

・どの範囲まで担当者が動かせるか
・他部署の対応が必要な箇所はあるか
・施策実行に必要なリソースは足りているか
・判断に必要なデータは共有されているか
・次の対応を誰が進めるか

問い合わせ数が未達だった場合、SEO担当者だけで原因を見きれないことがあります。広告担当、LP担当、フォーム管理者、営業担当の情報が必要になる場合もあります。流入は増えているのに問い合わせが増えないなら、サイト内導線やフォーム、営業接点まで含めて見たほうがよいでしょう。

KPI未達をチームの改善課題として扱うと、確認する範囲を広げやすくなります。誰かを責めるためではなく、次に何を変えるかを決めるためにKPIを使います。

KPI改善チェックで次の改善アクションを決める

KPI改善チェックでは、最後に次の改善アクションを決めます。

改善アクションを決めるときは、KPIの変化と対応内容がつながっているかを確認します。数字が悪化しているからといって、思いついた施策を追加すると、実行後に効果を判断しにくくなります。

改善アクションを決めるときは、次の項目をそろえます。

・改善対象のKPI
・確認した原因仮説
・実行する施策
・施策の対象範囲
・担当者
・実行期限
・確認する中間KPI
・KAIとして追う行動
・次回確認日

広告経由のCVRが下がっている場合は、広告文、キーワード、LP、フォーム遷移などのどこを改善するのかを決めます。スマートフォンのフォーム完了率だけが下がっている場合は、スマートフォン表示や入力項目の確認に絞って対応します。

ここで決めた施策や行動は、必要に応じてKAIとして管理します。たとえば、記事改善数、LP改修数、ABテスト実施数、架電数などです。KAIを残しておくと、施策を実行したのか、実行したうえで中間KPIやKPIが動かなかったのかを分けて見られます。

判断を保留する場合も、次回確認日と判断基準を残します。改善アクションを実行する場合も、経過を見る場合も、次回のKPIチェックで何を見るかまで決めておきます。

【深掘り記事|F01-01】サイト改善の効果測定:変化を正しく捉える分析ステップ

KPIチェックを報告で終わらせない

KPIチェックを報告で終わらせないためには、毎回の確認で「次に何をするか」を残します。

KPIの数値を共有しても、対応内容や確認期限が決まらなければ、改善にはつながりません。KPI改善チェックでは、結果の共有、原因の確認、対応の決定、次回確認までをひとつの流れとして扱います。

報告で止めないために確認したい項目は、次のとおりです。

・今回のKPIは達成か未達か
・未達や悪化の原因仮説は何か
・追加で確認することは何か
・実行する改善アクションは何か
・誰がいつまでに対応するか
・次回どの指標で判断するか

会議で「問い合わせ数が未達でした」と報告するだけでは、改善は進みません。たとえば、「自然検索からの流入減が大きいため、対象ページを確認し、次回は表示回数とクリック率をあわせて見る」と決めれば、次の行動につながります。

KPI改善チェックは、報告資料を完成させるためではなく、数字を見たあとに動くための確認です。結果、要因、対応、次回確認を残すことで、KPIを日々の改善に使いやすくなります。

まとめ

KPI未達は、あくまでも結果として出てきたアウトプットです。未達という数字だけを見て、すぐに施策の失敗と決めつけても、改善にはつながりません。見るべきなのは、その背景で何が起きているのかです。

KPIが未達だったときは、まず計測異常がないかを確認します。そのうえで、目標との差分、変化の続き方、リカバリープラン、原因の大きな分類を順に見ていきます。さらに、分母と分子、流入経路、ページ、デバイス、施策実行状況に分けることで、どこに変化が出ているのかを絞り込みやすくなります。

ただし、数字だけでは背景を読み切れないこともあります。広告文を変えた、ページの導線を変えた、営業側の対応が変わった、競合の動きがあったなど、定性的な情報もあわせて見ることで、KPIが動いた理由を捉えやすくなります。定量データと定性的な状況をつなげて確認することが、次の判断につながります。

また、KPIを見ても次の行動が決まらないなら、そのKPIは見直しの候補です。担当者が動かせる数字か、KGI・中間KPI・KAIが一連の流れでつながっているか、目標値や確認頻度が判断に合っているかを確認し、PDCAを回しやすい形へ修正します。

KPIチェックは、報告資料を完成させるための作業ではありません。未達というアウトプットの背景を確認し、次に何を見て、どの改善アクションを実行するのかを決めるための作業です。KPIは、見るだけでは改善につながりません。次のPDCAへ進めるために使ってこそ、意味のある数字になります。

編集後記

KPI改善チェックで個人的に大事だと思うのは、数字を見たあとに次の施策へ進めるかどうかです。

レポートには、達成率も前月比も前年差も並んでいる。けれど「で、次は何を試すのか」が決まらないまま終わることがあります。数字は見た。状況も共有した。でも、次の一手が決まらない。そのせいで改善に時間がかかる場面を、私自身も何度も見てきました。

KPI未達を見ると、原因を一発で当てたくなります。けれど、実際には計測、施策、外部環境、現場の小さな変化が重なっていることもあります。だからこそ、最初から正解を出すより、「次はここを見て、小さな施策を高速で回す」ほうが大事だと思っています。

数字を見て終わるか、数字を見たあとに次の施策へ進めるか。地味ですが、この差は積み重なると大きいです。KPIは、きれいに並べるためではなく、次の一歩を決めるために使って欲しいなと思います。

参照・参考サイト

内閣官房・内閣府総合サイト|Ⅱ.導入編 4. KPI(重要業績評価指標)の設定について
https://www.chisou.go.jp/sousei/pdf/04_r3_guideline-kpi.pdf

Google アナリティクス ヘルプ|[GA4] コンバージョン イベント
https://support.google.com/analytics/answer/9355848?hl=ja

Google アナリティクス ヘルプ|[GA4] デフォルト チャネル グループ
https://support.google.com/analytics/answer/9756891?hl=ja

Google Search Console ヘルプ|検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定
https://support.google.com/webmasters/answer/7576553?hl=ja

Google Search Console ヘルプ|表示回数、掲載順位、クリック数とは
https://support.google.com/webmasters/answer/7042828?hl=ja

Google 広告 ヘルプ|目標コンバージョン単価制のトラフィック量やコンバージョン率の低下に対処する
https://support.google.com/google-ads/answer/6385155?hl=ja

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